楽天モバイル『auローミング縮小』エリアで通信品質を調査、povo2.0と4G/5G回線比較で新たな問題も明らかに【横浜編】 | Buzzap!
ついに今月からauローミングが順次終了する楽天モバイル。都市部、地方問わずau回線を利用できるエリアが大幅削減されることになってユーザーがざわつく中、さっそく通信品質をチェックしてみました。実際の通信速度や電波の入り具合などをまとめた詳細は以下から。◆ローミングエリアが大幅縮...
地下鉄や地下街で、スマホの電波が弱くなった経験はありませんか。
楽天モバイルは、自社の電波が届きにくい所で、KDDIのau回線(auの通信の設備)を借りてきました。このように、ほかの会社の電波を借りて使う仕組みをローミングといいます。楽天は、自社の電波で十分カバーできている地域から、ローミングを縮小しています。ネットメディアのBuzzap!は、ローミングが縮小された横浜で、地下や屋内の通信の速さを日曜日の夕方から夜に測りました。そして、楽天モバイルがほとんど使えなかった場所があったと報じています。では、地下や建物の中では、なぜ電波が弱くなるのでしょうか。
そもそも電波は、壁を通り抜けるたびに弱くなる
スマホは、近くの基地局と電波をやりとりして通信しています。基地局は、電波を出したり受けたりするアンテナを備えた設備です。そして電波は、電灯の光と同じように、基地局から離れるほど弱くなります。
また電波は、壁などを通り抜けることもできますが、通り抜けるたびに弱くなります。そのため、ビルの奥や地下は、外の基地局からの電波が届きにくい所です。
電波の周波数には、光に近いものと音に近いものがある
電波は波の一種です。1秒間に繰り返す波の数を周波数といい、ヘルツ(Hz)という単位で表します。1MHzは1秒に100万回、1GHzは1秒に10億回の波のことです。携帯電話は、700MHz帯や1.7GHz帯など、いくつもの周波数を使っています。700MHz帯とは、700MHzのあたりの、幅をもった周波数のまとまりのことです。
NTTドコモは、電波の性質を光と音にたとえています。800MHzなどの低い周波数は音に、それより高い1.7GHzなどの周波数は光に近いという説明です。たとえるなら、裏通りにいても、表通りを走る車の音は建物を回り込んで聞こえてきます。一方、光は物にさえぎられると影ができ、裏側にはほとんど届きません。
ドコモによると、電波にも障害物の角に沿って裏側へ回り込む性質があります。そのおかげで、基地局から直接届かない所でも、携帯電話を使える場合があるそうです。たとえに沿えば、音に近い低い周波数のほうが、物の陰にも届きやすいことになります。ただし、これはたとえで、電波が光や音とまったく同じに振る舞うわけではありません。

低い周波数は数kmまで、中くらいの周波数は数百mまで届く
では、周波数によって、電波の届く距離はどのくらい違うのでしょうか。総務省の2025年2月の資料は、携帯電話の周波数を低いほうから3つに分けています。700MHz帯から900MHz帯の低い周波数は、電波の届く距離が半径数kmまでです。1.7GHz帯を含む中くらいの周波数は、数百m程度です。さらに高い28GHz帯などは、数十mから百m程度にとどまります。
周波数が高いほど、1つの基地局で覆える範囲は狭くなります。つまり、同じ広さを覆うにも、高い周波数のほうが多くの基地局が必要です。
遠くまで届く電波の基地局は、2025年3月末で楽天が27局、KDDIは8万局超
楽天モバイルは、主に中くらいの1.7GHz帯を使っています。総務省の資料にある数は、2025年3月末時点のものです。この時点で、楽天の700MHz帯の基地局は27局でした。これは700MHz帯に限った数で、主力の1.7GHz帯の基地局は別に数えられています。
これに対して、KDDIの低い周波数の基地局は、800MHz帯だけで85,327局あります。楽天は、届く距離の短い電波が主力で、遠くまで届く電波の基地局はまだ少ないのです。なお、どちらの数にも、建物の中に置く小型の基地局は含まれていません。そのため、屋内のつながり方は、この数だけでは測れません。
地下鉄や地下街の一部は、au回線のローミングで補ってきた
楽天モバイルとKDDIは2023年4月にローミングの新しい協定を結び、5月に発表しました。その中で、地下鉄、地下街、トンネル、屋内施設などの一部も、引き続きローミングで提供すると合意しています。提供の期間は、2026年9月まで延ばしました。楽天が遠くまで届く700MHz帯を使い始めたのは2024年6月で、この協定を結んだ1年あまり後のことです。
その期限を前に、楽天は2026年8月に方針を示しました。自社でカバーに時間がかかる地域では、10月以降もローミングを続けます。一方、十分にカバーできている地域では、縮小する方針です。KDDIも、提供する地域を順次縮小するとしています。
ローミングが外れた地下では、共用の基地局の整備が鍵になる
総務省の資料によると、地下鉄や地下街、ビルや商業施設の中は、基地局の設備を置く空間が限られています。楽天も2024年6月の発表で、地下鉄や地下街などで共用の基地局の整備を進めるとしていました。共用の基地局は、複数の会社が一緒に使う設備です。ローミングが外れた所のつながり方は、こうした共用の基地局を含めた楽天回線の整備に左右されます。

電波が弱い場所では、スマホの電池も早く減る
電波が弱い所で困るのは、つながりにくさだけではありません。スマホは、受ける電波の強さに合わせて、自分が出す電波の強さを変えています。基地局から遠いほど送信の電力が大きくなり、そのぶん電池の減りが早いのです。さらに圏外では電波を繰り返し探すので、もっと早く減ります。地下や屋内で電波が弱いと、電池の持ちにも響くということです。
まとめ
- 電波は壁を通り抜けるたびに弱くなるので、地下や建物の奥には届きにくい
- 低い周波数ほど遠くまで届き、高いほど多くの基地局が要る
- 楽天の主力は届く距離の短い周波数で、遠くまで届く電波の基地局は2025年3月末で27局と、KDDIの8万局超よりずっと少ない
- 楽天は、地下鉄や地下街の一部をau回線のローミングで補ってきた
- ローミングが外れた所のつながり方は、共用の基地局を含めた楽天回線の整備しだい
測定はBuzzap!、協定は両社の発表、電波と基地局の数はNTTドコモと総務省の資料によります。


