「SOS世代」、山で救助される若者はなぜ増加しているのか?(1/2) - CNN.co.jp
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山で圏外になっても、スマホの地図には現在地の点が出ます。
それなのに、山で道に迷う人は少なくありません。警察庁のまとめによると、令和7年に日本の山で遭難した人のうち、いちばん多かったのは道に迷った人で、3割ほどでした。海外では、スマホの地図アプリを頼りに山へ入り、救助を求めた若者の話がニュースになっています。圏外でも現在地は出るのに、なぜ山で道に迷うのでしょうか。
そもそもGPSの衛星は、灯台のように信号を送るだけ
GPSは、衛星を使って現在地を知るしくみです。空を回る衛星が信号を出し、スマホはその信号を受けて自分の位置を計算します。米国政府のGPSの解説サイトは、GPSの衛星を、一方通行の信号を出す灯台にたとえています。
たとえるなら、夜の海で灯台の光を見て、自分のいる場所を確かめる船のようなものです。灯台は光を出すだけで、船とやりとりはしません。だから基地局(携帯の電波を出すアンテナ)の電波が届かない圏外でも、現在地を出せるのです。
【技術のことば】GPS:位置は教わるのではなく、4機の衛星から計算する
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衛星が送るのは位置を計算するための信号だけで、地図は送らない
では、圏外で分かることと分からないことは、何でしょうか。米国政府の同じ解説サイトは、衛星が送るのは位置を計算するための信号で、地図ではないと書いています。つまり圏外で分かるのは、自分がいる点としての現在地です。白い紙に点が一つ打たれていても、まわりの道は見えません。どちらへ進めばよいかは、手元にある地図次第です。
地図は、ふつう通信で受け取ります。そのため圏外の山で地図を見るには、前もって地図をダウンロードして保存しておく必要があります。この保存した地図が、オフラインマップです。
では、オフラインマップがあれば、道案内も受けられるのでしょうか。Googleマップのヘルプによると、ルート全体がオフラインマップの中にあれば、目的地までの案内を受けられます。ただし同じヘルプによると、公共交通機関、自転車、徒歩の経路は、オフラインだと表示できません。オフラインで受けられるのは、車の道案内だけということです。つまり車の案内は出ても、歩いて進む道の案内は出ないのです。
また、オフラインマップには有効期限があり、期限の前に更新が要ります。更新には通信が要るので、圏外の山に入ってから期限に気づいても間に合いません。
警察庁は山岳遭難の防止対策として、登山地図アプリと紙の地図の併用を挙げています。アプリの点と紙の地図を見比べることで、より正確に現在地をつかめ、道迷いの防止につながるという理由です。
国の地形図でも、登山道が実際の道とずれていた場所があった
では、地図に道が描かれていれば安心でしょうか。地形図は、国土地理院が作る国の基本の地図で、山の登山道も描かれています。国土地理院は、登山アプリを運営するヤマレコとヤマップの2社と協定を結び、登山者が歩いた道すじの記録を受け取りました。その記録で、登山者が多い上高地と八ヶ岳の主な登山道のうち、歩いた道すじと地形図の登山道が大きく異なる箇所を直しました。
つまり国の地形図でも、登山道が実際の道とずれていた場所があったのです。この修正で、登山道の通る所が新しく変わった箇所も、地形図に正しく表示できるようになりました。
現在地の点が正しくても、地図に描かれた道がずれていれば、点と道の関係を読み違えるおそれがあります。国土地理院も、地形図の登山道がより正確になれば、登山者の安全につながるとしています。

iPhoneは極端な寒さで電池が早く減り、電源が切れることもある
もう一つは、山の気温の問題です。Appleによると、iPhoneはまわりの気温が0℃から35℃のところで使うように作られています。この範囲を下回る極端な寒さでは、電池の減りが一時的に早くなったり、電源が切れたりすることがあります。温かいところに戻せば、電池の持ちは元に戻るそうです。
電池が切れれば、現在地の点も地図も見られません。GPSで位置が分かるのは、スマホの電源が入っている間だけです。
| 圏外の山のスマホ | どうなるか |
|---|---|
| 現在地 | GPSの信号だけで出せる |
| 地図 | オフラインマップに保存した範囲だけ見られる |
| 徒歩の道案内 | オフラインのGoogleマップでは出せない |
| 電池 | iPhoneは0℃を下回る極端な寒さで、一時的に早く減ることがある |
まとめ
- GPSの衛星は灯台のように一方通行の信号を出すので、圏外でも現在地は出る
- 衛星が送るのは位置を計算するための信号で、地図は送らない
- Googleマップは、オフラインだと徒歩の経路を表示できない
- 国の地形図でも、登山道が実際の道とずれていた場所があった
- iPhoneは0℃を下回る極端な寒さで、電池の減りが一時的に早くなることがある
圏外でもGPSで分かるのは、自分がいる点としての現在地です。進む道は手元の地図次第で、Googleマップはオフラインだと徒歩の経路を出しません。そして極端な寒さで電池が切れれば、その点さえ見えなくなります。
遭難の数字は警察庁のまとめ、地図のずれは国土地理院、iPhoneと寒さの話はAppleの資料によります。



