着るペルチェ水冷クーラーChillerX Pro試着レビュー 1.6倍冷える巨大ヒートシンクと吸排気ダクトでガンダム感、静音化は朗報 | テクノエッジ TechnoEdge

シフトールが発表したウェアラブルクーラーのプロ仕様モデル「ChillerX Pro」、さっそく試着してきたファーストインプレッションをお伝えします。

日本のShiftallが2026年6月2日、水を循環させて体を冷やすベスト「ChillerX Pro」を発表しました。出荷は6月下旬から順に始めると案内されました。
公表された数値が印象的で、周囲の気温が45℃の環境でも、背中に当たる水冷シートの表面は15℃まで下がります。その差は30℃です。しかもこの冷却を支えているのは、実はパソコンと同じ部品でした。

この記事の数値は、すべてShiftallの公式発表(2026年6月2日)に記載されているものです。前のモデルの排気の様子は、上のテクノエッジの記事によります。

風を送る服と、水を回す服の違い

ChillerX Proは、冷やした水を服の中で循環させる仕組みのベストです。扇風機で風を送る空調服とは、冷却の考え方が違います。風は汗の蒸発を助けるだけですが、水は熱そのものを運び去ります。

公式が示した性能は、前のモデルと比べて約1.6倍です。冷却にあたる面積も、直接冷やす方式と比べて約14倍に広がりました。触れる面積が広いほど、体から熱を受け取る量が増えます。

項目内容
価格39,900円(税込・送料込。バッテリーは含まない)
出荷2026年6月下旬から順次
冷却方式ペルチェチラー方式(ペルチェ素子で水を冷やし、電動ポンプで循環)
性能周囲45℃で水冷シート表面15℃/前モデル比 約1.6倍
冷却面積ペルチェ直冷方式の約14倍
電源USB Type-C DC20V 3A(60W)
必要なものPD対応モバイルバッテリー(20,000mAh相当を推奨)または ACアダプター
中身はパソコンの冷却装置とほぼ同じ

この冷却装置で目を引くのは部品の構成で、本体にはヒートパイプが4本と、60mmのファンが2基入っています。しかもその2基は、2Uサーバー用の大風量タイプでした。

また、ヒートパイプもファンも本来はパソコンやサーバーの冷却に使う部品です。計算機の熱を逃がすために作られた道具が、人が着るベストの背中に載っています。

ペルチェ素子とは、電気を流すと片面が冷たくなり、もう片面が熱くなる板のことです。つまり冷却を担う面と発熱を担う面が、1枚の板の表と裏に分かれています。だから冷たい側だけを使いたければ、熱い側の熱をどこかへ逃がさなければなりません。ヒートパイプとファンが、その役目を引き受けていました。

ヒートパイプ4本と2基のファンを備えた冷却モジュールの接写
冷やすとは、熱をどこかへ運ぶこと

なぜ同じ部品で、人も機械も冷却できるのでしょうか。言葉の中身がどちらも同じで、冷やすとは温度を消すことではなく、熱を別の場所へ移すことを指すからです。

ChillerX Proが最初に熱を預ける先は、循環する水です。水はペルチェ素子で冷やされ、受け取った熱は本体の放熱板へ渡されます。そして最後に、ファンがその熱を外気へ吹き飛ばしました。

エアコンも冷蔵庫も、冷却の経路が違うだけで原理は変わりません。だからこそ、この製品には60Wの電力が要ります。熱を運ぶには仕事が必要で、涼しさはどこかで支払われた電力の裏返しです。

捨てた熱が、背中に戻らないように

熱を外へ捨てるなら、捨てる向きも問題になります。Shiftallによると、前のモデルは背面から空気を吸い、上下へ吐き出していました。テクノエッジの試用記事は、体型や着け方によっては熱い排気が背中を伝うことがあったと書いています。

そこでProは、本体の下から吸って、角度を付けたダクトで斜め上へ吐き出す形に変えました。排熱が体のそばを通らないようにして、せっかく冷やした体が熱を感じるのを防ぐためです。冷やす力を上げるだけでなく、運んだ熱の出口の向きまで作り直していました。

まとめ
  • Shiftallが2026年6月2日、水を循環させる冷却ベスト「ChillerX Pro」を発表した
  • 気温45℃の環境で、背中に当たる水冷シートの表面は15℃まで下がる
  • 中身はヒートパイプ4本と60mmファン2基。パソコンやサーバーを冷やす部品と同じ
  • ペルチェ素子は片面が冷え、もう片面が発熱する。熱い側の熱を逃がす役目を送風が担う
  • 消費電力は60W。熱を運ぶには仕事が要る

ChillerX Proの冷却は、体の熱を水で受け取り、ペルチェ素子とヒートパイプで運び、送風で外へ捨てる流れでした。60Wの電力はその運搬に使われ、捨てる先は体から離れた斜め上に決められています。