火事の現場で活躍するのは人間だけではありません。最新のテクノロジーを搭載した「犬型ロボット」が、消防活動や救助の現場で大きな力を発揮しています。
アニメ『パウ・パトロール』のような光景が、現実のものとなりつつあるのです。なぜ今、消防ロボットが注目されているのでしょうか?どんな技術が使われているのでしょうか?この記事では、犬型ロボットの最新技術や仕組み、そして未来の消防活動について見てみましょう。
犬型ロボット「B2」とは?その特徴と消防活動での役割
中国のUnitree Roboticsが開発した「B2」は、4本足で歩く犬型ロボットです。このロボットは、1メートルの幅をジャンプしたり、40センチの段差を乗り越えたりするなど、高い運動性能を持っています。B2は「モジュラー式ユニット」を搭載しており、消火用の放水ホースや救助用の装置など、現場に合わせてパーツを付け替えることができます。
火災現場では、人間が近づくのが危険な場所でも、B2が先に入り、消火や救助活動を行います。背中には自分に水をかけて冷やす装置もあり、高温の場所でも作業を続けられます。煙や炎の中でも安全に活動できるのは、ロボットならではの強みです。
消防ロボットのセンサー技術 ― 現場を「見て」「感じて」「考える」
犬型ロボットには多くの高性能センサーが搭載されています。まず、可視光カメラや熱画像カメラ(サーモグラフィ)で火元や逃げ遅れた人を探しやすくしています。ガス検知センサーは一酸化炭素などの危険なガスを感知し、温度センサーは現場の温度をリアルタイムで測定します。
さらに、LiDAR(ライダー)というレーザーを使った距離センサーで、障害物や地形を3Dで把握。GPSによって正確な位置を知ることができ、遠隔操作や自動での移動が可能です。SWIRイメージセンサーは、煙の中でも炎や人を見つけやすくする特殊なカメラです。
これらのセンサーが連携することで、ロボットは現場の状況を自動で分析。操縦者はモニターで状況を確認しながら最適な指示を出すことができます。

消防ロボットの実用化と世界の動き
中国の青島市では、犬型ロボットが消防署に導入されており、消火や救助で活躍しています。放水の角度は5度から85度まで自由に変えられ、毎秒40リットルの水を最大60メートル先まで飛ばせます。泡や風で火を消す装置もあり、さまざまな現場に対応可能です。
日本でも無人放水ロボットや遠隔操作が可能な小型消防車の導入が進んでいます。2025年の能登半島地震では道路が壊れて初期消火が遅れたことから、災害対応ロボットの重要性が見直されています。
犬型ロボットと消防の歴史
昔の消防署では、ダルメシアンという犬が先導や見張り役として活躍していました。今では、その役割を犬型ロボットが引き継ぎ、現場での「新しい相棒」となっています。
まとめ
- 犬型ロボット「B2」は運動性能が高く、パーツの交換で多目的に使える
- 高性能センサーが現場の状況を把握し、的確な対応を可能にしている
- 中国や日本で導入が進み、災害現場での活躍が期待されている
- 昔の消防犬の役割を、現代では犬型ロボットが担っている
消防ロボットの進化は、私たちの暮らしや安全を大きく変えています。ロボット技術は、金融経済やビジネスの現場でも自動化や効率化に活用されています。もし自分が未来の消防士やエンジニアだったら、どんなロボットを作りたいですか?ロボットと人間が協力する社会について、ぜひ考えてみてください。身近な防災やテクノロジーについて家族や友達と話し合ってみるのもおすすめです。