【技術のことば】自動運転レベル

ニュースで「レベル4」という言葉を見かけます。運転席に人がいない車のことだと説明されます。
ところが日本の道路交通法を開いても、レベルという言葉は1回も出てきません。では3と4は、車の何が違うのでしょうか。

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この記事の制度の内容は警察庁が公開している「自動運転」のページによります。レベル3と4の基準の違いは国土交通省の発表で、条文はe-Govの道路交通法で確かめました。

道路交通法は、レベルの数で書いていない

レベルという数え方は、SAEという米国の団体が決めた技術の区分です。道路交通法の条文には「レベル」が1回も出てこず、代わりに特定自動運行という言葉が190回以上使われています。

警察庁の説明では、特定自動運行はSAEレベル4に相当する「運転者がいない状態での自動運転」です。法律は数ではなく、運転者がいるかどうかで書き分けていました。

改正何が変わったか施行
令和元年レベル3の車が安全に走れるよう規定を整備令和2年4月
令和4年レベル4にあたる特定自動運行の許可制度を創設令和5年4月
一筋の光に照らされた分厚い法律書と、その横の影に置かれた小さな車の模型
3と4を分けるのは、自動運転を続けられなくなったときの動き

レベル3もレベル4も、決められた条件の中ではシステムが運転を受け持つ自動運転です。違いが出るのは、故障や天気の急変で自動運転を続けられなくなったときでした。

国土交通省の基準では、レベル3の車はそのとき運転席の人に引き継ぎの警報を出します。だから車の中には、すぐ代われる人が座っていなければなりません。

一方レベル4の車は、同じ場面で自分で安全に止まります。人に引き継がないので、車内にも遠くの監視席にも運転する人が要らないわけです。

この基準で国内初のレベル4と認められたのは、福井県永平寺町を走る自動運転車でした。認可は2023年3月で、道路運送車両法によるものです。そのうえで翌月からの改正道路交通法の許可を受ければ、無人の自動運転で移動サービスを走らせられます。

ハンドルが2つ並び、左は両手でしっかり握られ、右は誰も触れていない
ドライバーがいないなら、誰が何を受け持つのか

運転席が空でも、道路で起きることへの責任は残ります。そこで道路交通法は、特定自動運行をする人に計画を出させ、許可制にしました。計画には、走る経路や日にちと時間帯、運ぶ人や物を書きます。

さらに法律の中でドライバーに課していた決まりの多くを、特定自動運行主任者などに読み替えています。ハンドルを握る人がいなくなっても、決まりの宛先は人に残されていました。

なお運転支援機能は、どれほど賢くても運転の主体は運転者で、自動運転とは別のものだと警察庁は注意しています。前の車との距離を保つ機能などを過信して追突する事故が、国内外で起きているからです。

まとめ
  • レベルはSAEが決めた技術の区分で、道路交通法の条文には1回も出てこない
  • 法律は「運転者がいるか」で書き分け、レベル4にあたるものを特定自動運行と呼ぶ
  • レベル3は続けられなくなると運転者に引き継ぎ、レベル4は自分で安全に止まる
  • 特定自動運行は許可制で、経路や時間帯、運ぶ人や物を計画に書く
  • 運転者向けの決まりの多くは、特定自動運行主任者などに読み替えられる

レベル3と4を分けているのは、続けられなくなったときに人へ渡すか、自分で止まるかでした。自分で止まれるからドライバーが要らなくなり、法律はその自動運転を特定自動運行として扱っています。