World’s Largest Sand Battery Now in Operation - Polar Night Energy
Loviisan Lämpö has commissioned the world’s largest Sand Battery. Developed by Polar Night Energy, the industrial-scale Sand Battery now serves as the main prod…
この記事は2025年6月28日に公開し、2026年11月7日に書き直しました。
フィンランドの町ポルナイネンでは、2025年6月から「砂電池」と呼ばれる巨大な設備が、暖房の熱をつくっています。
つくったPolar Night Energyは、2026年6月に運転1年の結果を発表しました。
町の暖房で出る温室効果ガスが、70%減ったそうです。
砂は電気をためる電池ではないはずなのに、なぜ電池と呼ばれ、何をためているのでしょうか。
砂電池がためているのは電気ではなく熱

てっきり、砂に充電する電池なんだと思ってた。

ううん、ためているのは電気じゃなくて熱なの。
熱を砂の中に閉じこめておくのよ。

たとえるなら、大きな湯たんぽね。
湯たんぽはお湯に熱をためるけれど、砂電池は砂や石に熱をためるの。
砂は水が沸騰する温度よりずっと高くまで熱せるから、同じ大きさなら水よりたくさんの熱をためられるのよ。

ただ、お湯をそのまま使う湯たんぽと違って、砂電池は空気を通して熱を取り出すのよ。
風力や太陽光でつくった電気が余ったときや安い時間に、それで熱をつくって、あとで使うのよ。
電気で熱した空気を砂の中の管に通す

しくみを順に話すわね。
タンクは断熱材で包んだ鋼鉄でできていて、中は砂でいっぱいなの。
砂のあいだには、管が通してあるわ。

電気ヒーターで温めた空気を管に回すと、まわりの砂が温まっていくのよ。
空気は管の中を回るだけで、外へは出ないわ。

砂を直接あたためるわけじゃないんだ。

そうなの。
熱を取り出すときは、逆に動かすのよ。
冷たい空気を管に通すと、砂の熱をもらって熱くなるの。

その熱で、水を温めてお湯にしたり、蒸気をつくったりするわ。
熱風として使うこともできるのよ。

砂は熱を伝えにくいので熱が逃げにくい

でも熱って、ためてもすぐ冷めちゃいそう。

そこが砂のいいところなの。
砂は、熱を伝えるのがとても遅いのよ。

つくった会社の研究者の計算を紹介するわね。
20℃で厚さ1mの砂の塊の片側だけを500℃にして、ほかの面を断熱するの。
反対側が100℃に届くまでに、8日あまりかかる計算よ。

8日も。思ったよりずっと長いんだ。

そのうえ、タンクの壁の内側と外側のあいだには断熱材が入っていて、外側の面は熱くならないの。
世界最大の砂電池はフィンランドの町ポルナイネンにある

世界最大の砂電池は、フィンランド南部の町ポルナイネンにあるの。
暖房会社のLoviisan Lämpöが、2025年6月に動かし始めたの。
つくったのはPolar Night Energyよ。
町の地域暖房の、主な熱源になっているわ。

地域暖房って何?

地域暖房は、1か所でつくった熱をお湯にして、管で建物へ配る暖房のしくみよ。
学校や役場、図書館などがつながっているの。

設備の大きさは、高さが約13m、幅が約15mよ。
一度に出せる熱の強さ、つまり出力は1MWなの。
ためられる熱は100MWhで、夏なら町の暖房の1か月近く分、冬なら1週間近く分になるわ。
MWhは熱の量の単位で、数が大きいほどたくさんためられるのよ。

中身は全部、砂なんだと思ってたよ。

ところが、ここに入っているのは砂じゃないの。
約2,000トンの、砕いたソープストーンという石よ。
熱をためる暖炉のメーカーが、製品をつくるときに出る余りの石なの。

普通の砂より熱をよく伝える石で、調べて向いていると判断されたそうよ。

砂じゃなくても、砂電池って呼ぶんだね。

Polar Night Energyは、砂に似た固い材料なら使えるとしていて、産業の余りものを選ぶのが好みなのよ。
この設備がためる温度は、最高で400℃ね。

Polar Night Energyが2025年6月11日の発表に添えた、公式の動画よ。

熱は、どのくらいの期間ためておけるの?

Polar Night Energyがこの設備で行った計算では、何も出し入れしないと、約3か月で熱の半分が失われるの。
この石は砂より熱を伝えやすいのに、それでも3か月よ。
ただ、ふつうは数日分をためて使うそうよ。
運転1年で温室効果ガスが70%減ったと会社が発表した

役に立ったかも見ておきましょう。
2026年6月、運転開始から1年で町の暖房で出る温室効果ガスが70%減ったと、つくった会社が示したの。

それまでの燃料のうち、石油はまったく使わなくなったの。
木材チップの使用も約60%減ったわ。

暖房が止まったりしなかったの?

暖房の供給が止まったことは1度もなかったと、暖房会社の社長が話しているわ。
熱から発電する方式の試験がフィンランドで進んでいる

いまの砂電池は、熱しか出さないの。
熱から発電する方式は、いま試している最中よ。

熱を発電に使うと、元の熱の何割を取り出せるの?

発電に回せるのは、30〜35%と見込まれているの。
燃料を燃やす発電所と同じくらいの効率ね。

そのとき出る熱も使えば、全体で最大90%になる見込みよ。
試験は2025年から2027年までの予定なの。
ただ、羽根車を回して発電するタービンは施設になくて、性能は計算で見積もるそうよ。
次の砂電池は出力もためる熱も2倍以上になる

世界で最初の商用の砂電池は、2022年にフィンランドの別の町にできたの。
ポルナイネンは、ためられる熱が8MWhから100MWhへと、10倍あまりになったの。

次は、もっと大きいのができるの?

Lahti Energiaという会社が、フィンランドの町の暖房用に建てているところよ。
出力は2MW、ためられる熱は250MWhで、完成すれば砂を使うものでは世界最大になるの。

こちらは本物の砂が約2,400トン入る予定で、500℃を超える温度までためられるそうよ。
動き出すのは2027年の見込みね。

まとめ
- 砂電池がためているのは電気ではなく熱で、電気ヒーターで温めた空気を管に通して砂や石に熱を渡す
- 世界最大のポルナイネンの設備に入っているのは、砂ではなく砕いたソープストーン約2,000トン
- 2026年6月、運転1年で町の暖房で出る温室効果ガスが70%減ったと、つくった会社が発表した
- 熱から発電する方式の試験は2027年まで続き、発電の効率は30〜35%と見込まれている
砂電池は、大きいほど熱を逃がしにくい設計だと、会社は説明しています。
熱は表面から逃げ、ためられる量は体積で決まります。
同じ形で大きさを2倍にすると、表面積は4倍、体積は8倍です。
逃げる熱の量そのものは増えても、ためた熱に対する割合は小さくなります。
出典はPolar Night Energyのプレスリリースで、2025年6月11日と2026年6月11日の2本です。
世界最大の砂電池の事例ページ、砂電池の製品ページ、効率の解説記事も出典に使っています。
試験の説明はSand to Power Pilotが出典です。
次の砂電池はLahti Energiaのプレスリリースと工事の進み具合の知らせが出典です。
最初の砂電池は事例ページにあります。
ソープストーンの性質は、導入先のLoviisan Lämpöのブログにもよります。


