アメリカのZ世代にBlackBerryがブーム。2025年になんでなの? | ギズモード・ジャパン
脱スマホ依存の選択肢2007年にスマホが登場して以来、毎年新機種が発表されてどんどん性能が向上し、使いやすくなり、日常のあらゆることをスマホでこなすようになり、さらにスマホが手放せなくなっています。そんな中、アメリカのZ世代の間でスマホが登場する前にムーブメントを起こしていたBlackBerry(ブラックベリー)がブームになっているそうなんです。あえて先祖返りする理由、一体なぜなんでしょうか?T
スマホに夢中になりすぎて困った経験はありませんか?いま、アメリカのZ世代(1990年代後半〜2010年代生まれ)の若者たちが、物理キーボードを備えた「BlackBerry(ブラックベリー)」を再び手に取っています。入力の心地良さや、SNS・動画アプリを制限できるシンプルさが、学業や仕事に集中したい人々に支持されているのです。
BlackBerryの技術的特徴と再注目の背景を見てみましょう。
物理キーボードと高セキュリティが魅力
BlackBerryはカナダ発のスマートフォンブランドで、2000年代に世界中のビジネスパーソンや学生に愛用されました。最大の特徴は、パソコンと同じ配列の物理QWERTYキーボードです。キーを押したときの「カチカチ」という感触と音が打鍵の正確さをサポートし、メールやメッセージを素早く入力できます。
また、通信データや端末内情報を暗号化する強力なセキュリティ技術も大きな強みです。企業や政府機関が導入してきた実績があり、安全な環境での情報交換が可能でした。さらに、専用メッセージングサービス「BBM(BlackBerry Messenger)」は、同時期の他サービスに比べて高い安全性を誇ります。
Z世代がBlackBerryを再選択する3つの理由
- スマホ依存の抑制
SNSや動画視聴ができない端末をあえて選び、画面を見る時間を減らすことで学習や友人との会話に集中できます。 - レトロテックとY2Kブーム
2000年代のファッションやガジェット文化が再燃し、BlackBerryはスタイリッシュなアクセサリーとしても人気です。 - ASMR的な打鍵体験
TikTokではキーボード音をASMR動画として楽しむ動きが広がり、癒やし効果を求めるユーザーが増えています。
かつて廃れた理由と復活の兆し
廃れた背景
- タッチパネル主流への適応遅れ
iPhoneの登場で画面タッチ操作が当たり前になると、物理キーボード重視の路線が広いユーザー層に受け入れられなくなりました。 - 独自OSのイノベーション不足
アプリ開発の多様化に追いつけず、AndroidやiOS端末にシェアを奪われました。 - 消費者ニーズの把握不足
ビジネスユーザー向け機能に特化するあまり、一般ユーザーの使いやすさを後回しにした結果、選択肢としての魅力が低下しました。
復活の兆し
近年はAndroid OSを搭載したBlackBerryブランド端末が登場し、Google Playからアプリをインストール可能に。中古市場でも流通が増え、購入前に動作確認をすれば現代でも実用性を維持できます。

日本での利用状況と注意点
2022年1月に旧OSのサポートが終了し、古いBlackBerry端末は通話やインターネット接続が難しくなりました。しかし、Androidモデルなら一部機能が今も使えます。中古品を選ぶ際は、バッテリー残量やネットワーク対応状況をしっかり確認しましょう。
世界的スマホ断ちムーブメント
アメリカ発の「スマホ断ち運動(ラッダイト運動)」では、高校生がBlackBerryやガラケーを使い、読書や対面での会話を楽しむ活動が広がっています。デジタルデトックスとしてのレトロ端末が再評価される動きです。
まとめ
- BlackBerryは手触り感のある物理キーボードと堅牢な暗号化技術が特徴
- SNSや動画アプリを制限し、スマホ依存を抑えるツールとして再注目
- タッチ操作主流時代にシェアを失ったが、Androidモデルで復活の兆し
- 中古購入時はサポート状況と動作確認が必須
- 世界的にスマホ断ちムーブメントが広がり、生活リズムを見直すきっかけに
必要な機能を選び取る“ミニマルガジェット”の時代です。BlackBerryのように使う目的を絞ることで、学習効率や人とのコミュニケーションが高まるかもしれません。
家族や友達と、「本当に必要な機能は何か」を話し合い、あなたに最適なデジタルライフのスタイルを見つけましょう。