スマートフォンを機内モードにしないと何が起きるのか? | WIRED.jp
たとえ機内モードにしなくても飛行機が墜落することはない。だが、バッテリーの消耗が早くなり、パイロットを少しばかり困らせることになる。
飛行機に乗るとき、「スマートフォンは機内モードにしてください」とアナウンスされますよね。でも、なぜ機内モードが必要なのでしょうか?もし設定しなかったら、どんな問題が起きるのでしょう?
機内モードの仕組みや飛行機と電波の関係について、スマホの電波がどのように影響するのか、そして最新の通信技術がどう進化しているのか、一緒に見ていきましょう。
機内モードとは?スマホの電波をコントロールする仕組み
機内モードとは、スマートフォンやタブレットが発する電波を一時的にオフにする機能です。これをオンにすると、電話やインターネット通信、SMSなどの無線通信がすべて停止します。つまり、スマホが基地局を探したり、電波を送ったりしなくなるため、飛行機の電子機器への影響が減るのです。
また、機内モード中でもカメラや電卓など、インターネットを使わない機能は利用可能です。最近のスマホでは、Wi-FiやBluetoothを個別にオンにできるものも増えています。
機内モードを設定しないとどんな問題が起きる?
電波干渉による航空機システムへの影響
機内モードを設定しないスマホは、強い電波を発信して基地局との通信を試みます。この電波が、飛行機のナビゲーションシステムやパイロットの通信機器に干渉する可能性があります。特に着陸や離陸といった重要なタイミングでは、パイロットのヘッドセットに雑音が入ると集中力が乱れ、判断ミスに繋がる恐れもあります。
アメリカでは5Gの周波数が航空機の高度計に近く、特に注意が必要です。
他の乗客やサービスへの影響
複数の乗客が機内モードを設定しないと、機内Wi-Fiなどの通信サービスに悪影響を及ぼす可能性があります。また、緊急時に客室乗務員が乗客の注意を引きにくくなるなど、安全管理にも支障をきたします。
法律・規則違反のリスク
機内モードを設定しないことは、航空法や航空会社の規則違反にあたります。乗務員の指示に従わないと、罰金や法的措置を受ける可能性もあります。安全な空の旅のため、必ず指示に従いましょう。
機内モードの意外なメリットと日常での活用法
機内モードは飛行機だけでなく、日常生活でも便利に使えます。
- 電波が弱い場所でのバッテリー消耗を防ぐ
- 充電を速く進める
- 通信が不安定なときにリセットできる
このように、さまざまな場面で役立つ機能です。

最新技術「機内ローミング」とピコセル
最近は、「機内ローミング」という新しいサービスも登場しています。飛行機内に「ピコセル」と呼ばれる小型基地局を設置し、スマホが地上の基地局ではなく機内のピコセルと通信できる仕組みです。これにより、飛行機の機器への電波干渉が減り、飛行中でも安全にインターネットが利用できるようになりました。ヨーロッパや一部の国際線では、すでに導入が始まっています。
2025年4月、楽天モバイルやソフトバンクが「機内ローミング」サービスを開始しました。特定の国際線では、スマホを機内モードにしなくても安全に使用できるようになり、今後さらに多くの航空会社への拡大が期待されています。
まとめ
- 機内モードはスマホの電波を一時停止する技術
- 飛行機の電子機器や通信への電波干渉を防ぐ
- 法律や規則違反を避けるため、必ず設定
- バッテリー節約や通信リセットにも活用できる
- 機内ローミングにより、今後はさらに安全・快適なネット利用が可能
通信技術の進化は、私たちの暮らしやビジネスに大きな影響を与えています。飛行機の中でもインターネットを使えることで、グローバルな学びや仕事がもっと身近になります。みなさんも、スマホの「機内モード」や新しい通信技術について、ぜひ自分で調べてみましょう!未来の可能性に、ワクワクしてみませんか?