YKK、「自走するファスナー」開発 遠隔操作で開閉 - CNET Japan
YKKは、ファスナーの開閉を遠隔操作できる「自走式ファスナー」を開発している。この製品は、歯車とモーターを内蔵した小型の自走ユニットをファスナー本体に後付けし、有線式のコントローラーで操作する仕組みだ。
ファスナーは、洋服やバッグだけでなく、テントや大型シートなど、さまざまな場面で活躍しています。しかし、大型テントや高所のファスナーを手作業で開閉するのは、大変で危険を伴う作業です。
この課題を解決するため、YKKが開発しているのが「自走式ファスナー」です。遠隔操作で自動開閉できる新技術は、身近な道具をどのように進化させるのでしょうか?
自走式ファスナーとは?仕組みを解説
自走式ファスナーは、ファスナー本体に小型モーターと歯車が組み込まれたユニットを取り付けて使用します。有線コントローラーでスイッチを押すだけで、ファスナーが自動で開閉する仕組みです。これまで人の手で行っていた作業が、遠隔から安全にできるようになる画期的な技術です。
どこで活躍する?具体的な使用例
自走式ファスナーは、主に大型テントや産業用シートなど、人の手が届きにくい場所での作業に役立ちます。
例えば、イベント会場の大規模なテント設営や、災害時の仮設テント、工事現場の防音シートの開閉作業に使われます。スイッチ一つで安全に効率よく作業できる点が大きな魅力です。
使い方の流れ
- 既存のファスナーに自走ユニットを取り付けます(工具不要)。
- 有線コントローラーでスイッチを押して操作します。
- 地上から高所のファスナーも安全に開閉できます。

実験でわかった実力
2025年2月、YKKと太陽工業は共同で自走式ファスナーの実験を行いました。高さ5メートルの膜材にファスナーを設置し、スイッチを押すと約40秒で自動的に接合。さらに、4メートル四方のエアーテント2つを約50秒で連結することにも成功しました。これにより、実用化への大きな手応えを得ています。
広がる未来の可能性
自走式ファスナーは、災害対策やイベント設営だけでなく、将来は宇宙空間や過酷な環境での活用も期待されています。今後は無線操作への対応や、複雑な形状のファスナーへの適応も視野に入れて、技術改良が進められています。
現在、YKKのファスナーは世界中で年間100億本以上使用されています。大阪・関西万博のパビリオン設営でも、太陽工業の大型テントとともに新しい技術が活躍しています。こうした取り組みは、未来のイベントや災害対策のあり方を大きく変えるかもしれません。
まとめ
- 自走式ファスナーは遠隔操作で自動開閉できる新技術。
- 高所作業や大型テントの設営を安全かつ効率化。
- 実験では40~50秒で膜材やテントの接合に成功。
- 将来は宇宙空間や過酷な環境での利用も期待。
- 大阪・関西万博でも関連技術が活用されています。
ファスナーのような日常的な道具も、技術の進化で大きく変わりつつあります。遠隔操作や自動化は、生活や仕事をより安全で便利にしてくれます。あなたなら、どのような場面で自走式ファスナーを活用したいですか?また、身近な道具をもっと便利にするために、どんなアイデアが考えられるでしょうか?あなたの発想が、未来を変えるかもしれません!