きょうから「スターリンク」で日本全土がauエリアに--当面無料 申し込み不要 対応機種一覧 - CNET Japan
KDDIは4月10日、日本初の衛星とスマートフォンの直接通信サービス「auStarlink Direct」の提供を開始したと発表した。
もし、山の中や海の上でもスマホがつながったら、どんな未来が広がるでしょうか?
2025年4月、KDDIは日本初となる衛星とスマートフォンが直接つながる通信サービス「au Starlink Direct」をスタートしました。この新技術により、空が見えればどこでもメッセージを送れる時代がやってきました。
このサービスの仕組みや技術的な特徴、そして世界の動向について考えてみましょう。
au Starlink Directとは何か
「au Starlink Direct」は、アメリカのSpaceX社が運用する低軌道衛星「Starlink」を利用したサービスです。スマートフォンと衛星が直接つながるため、専用アンテナや追加機器は不要です。これまで人口カバー率は99.9%に達していたauですが、日本の山や島といった地域では通信が難しい場所もありました。
この新サービスは、その"空白地帯"を埋めるために開発されました。
対応機種と使い方
現在、iPhone、Xperia、Pixel、Galaxyなど約50機種が対応しています。通信圏外に入ると、空が見える場所で自動的に衛星と接続されます。接続されると、スマホ画面の右上に衛星アイコンが表示され、「衛星経由でメッセージを送受信できます」と通知されます。AndroidではSMSやRCS、iPhoneではSMSやiMessageが利用できます。
技術的な特徴と利点
- テキストメッセージの送受信:衛星経由でも普段と同じようにメッセージが使えます。
- 緊急情報の受信:地震速報や津波警報、Jアラートなど重要な情報を受信可能です。
- 現在地の共有:知人や家族にリアルタイムで位置を伝えられます。
- AIアシスタントとの連携:AndroidユーザーはGoogleのAIアシスタント「Gemini」との会話も可能です。
競合キャリアの動向
他の通信会社もこの分野に注目しています。楽天モバイルは2026年に衛星通信サービスの開始を予定し、NTTドコモやソフトバンクは成層圏を飛ぶ電気飛行機(HAPS)を使ってエリア拡大を進めています。通信の未来をめぐる競争が激化しています。

世界のStarlink活用事例
海外でもStarlinkによる通信拡張が進んでいます。アメリカのT-Mobileは「Coverage Above and Beyond」というサービスを展開。オーストラリアのOptusやカナダのRogersも、通信が届かない地域の解消を目指してStarlinkと連携しています。これにより、地球上の"デッドゾーン"が減りつつあります。
まとめ
- スマホと衛星が直接つながる時代が始まった
- au Starlink Directは50機種以上に対応、専用機器不要
- 緊急時の情報受信や現在地の共有に強み
- KDDIは当面無料でサービス提供、安心感を重視
- 世界各国でもStarlinkによる通信拡張が進行中
衛星通信技術は、私たちの生活を守るだけでなく、未来の社会を支える重要な技術でもあります。災害時に使える通信手段としてだけでなく、離島や山間部の学習や仕事の環境を大きく変える力も秘めています。「通信が届く」とはどういうことか、そしてその裏側にある仕組みを学ぶことは、将来の技術者や起業家としての視点にもつながります。あなたなら、この技術をどう活かしますか?