循環型再生エネルギーシステムのコア部品の試験を国際宇宙ステーションで実施 | Honda 企業情報サイト

本田技研工業の広報発表ニュース - Hondaの研究開発子会社である株式会社本田技術研究所は、宇宙での使用を想定して開発している循環型再生エネルギーシステムのコア部品の試験を、国際宇宙ステーションで実施するため、米国の航空宇宙関連企業であるSierra Space社およびTec-Masters社と契約を締結しました。

月に住む未来は、もはや夢ではありません。ホンダが開発中の「循環型再生エネルギーシステム」は、その実現に向けた重要な一歩です。
この技術は、水と太陽光を使って酸素や電気をつくり出し、月面での長期生活を支える仕組みです。自動車やオートバイで知られるホンダが、なぜ宇宙開発に関わっているのでしょうか?その理由と仕組みに注目してみましょう。

月で生活するには何が必要?

月面で人が暮らすには、酸素、水、食料、電気などのインフラが不可欠です。特に問題となるのが電気の供給です。月では昼と夜が約14日ずつ続くため、昼間に得た電力を夜にも活用できる技術が必要です。
ホンダのシステムは、この大きな課題への解決策として注目されています。

エネルギーを循環させるホンダの技術

このシステムは、「高圧水電解システム」と「燃料電池システム」を組み合わせています。水を分解して酸素と水素を作り、それを使って発電することで、エネルギーの循環を実現しています。

具体的な仕組み

  1. 高圧水電解システム:太陽光で得た電力を使い、水を電気分解して酸素と水素を作ります。ホンダの技術では、水素を圧縮する機械が不要で、装置がコンパクトです。
  2. 酸素と水素の貯蔵:生成した酸素と水素はタンクに保存され、夜間や太陽が当たらないときに使います。
  3. 燃料電池システム:保存された酸素と水素を反応させて電気をつくり、そのときにできた水を再び電気分解して循環させます。

この一連のプロセスにより、効率的かつ安定したエネルギー供給が可能になります。

宇宙での実証実験がスタート

ホンダは、アメリカの宇宙関連企業「Sierra Space社」と「Tec-Masters社」と連携し、国際宇宙ステーション(ISS)でこのシステムの実験を行う予定です。微重力環境下での信頼性や効率を検証し、実用化に向けた重要なステップとなります。

地球でも使える未来のクリーンエネルギー

この技術は、宇宙だけでなく地球上でも役立つ可能性があります。特に水資源が豊富で太陽光が多く得られる地域では、持続可能なクリーンエネルギーとして活用が期待されています。化石燃料に頼らない社会づくりにも貢献できそうです。

最近ではトヨタやスペースXなども、宇宙開発や再生エネルギーの研究に力を入れています。宇宙技術は、地球での生活にも大きな影響を与える可能性があり、日本企業の挑戦が世界をリードする時代が近づいています。

まとめ
  • ホンダが開発中のエネルギー技術は、月面での生活を支えるためのもの
  • 水と太陽光で酸素と電気をつくり、再利用して循環
  • 宇宙ステーションでの実験を通じて実用化を目指している
  • 地球上でも再生可能エネルギーとしての応用が期待される
  • 宇宙ビジネスやクリーンエネルギー市場への新展開が予想される

この技術が進めば、宇宙で働くことが普通になる日も近いかもしれません。そして、地球のエネルギー問題を解決するヒントにもなります。
もしあなたがこの技術を使えるなら、どんな場所や目的に活かしたいですか?未来を想像して、調べたり話し合ったりしてみましょう。