海洋生分解性と高い透明性を両立 太い直径を実現した新開発のストローがアサヒ飲料に採用 | 帝人フロンティア株式会社

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プラスチックごみによる海の汚染は、今や世界的な問題です。特に使い捨てストローは、マイクロプラスチックとなって海の生き物や私たちの暮らしに悪影響を及ぼします。
そんな中、帝人フロンティアが開発した「海で分解されるストロー」が注目を集めています。この技術はどのような仕組みで、なぜ未来の海を守る鍵となるのでしょうか?

海洋生分解性ストローとは?

帝人フロンティアは、「NEQAS-OCEAN」という植物由来の酢酸セルロース樹脂を使用した、海洋生分解性ストローを開発しました。この素材は、木や綿などの植物からとれるセルロースをもとにしており、自然環境への負担が少ないのが特徴です。

また、同社の独自技術「ポリマー加工」により、ストローは薄くても丈夫に作られています。タピオカドリンクに使われるような太いストローにも対応し、見た目も透明で使い心地は従来のプラスチック製と変わりません。

どうやって海で分解されるの?

このストローの最大の特長は「海洋生分解性」です。海に流れても、海水中の微生物がストロー表面に付着し、素材を少しずつ分解します。最終的には水と二酸化炭素に分解されるため、マイクロプラスチックとして残りません。

分解の速度は海の温度や微生物の種類によって異なりますが、90日程度で形がなくなることもあるそうです。また、日本バイオプラスチック協会(JBPA)の認証も取得しており、安全性も高く評価されています。

技術の社会への広がり

帝人フロンティアのストローは、アサヒ飲料と連携し、和歌山県白浜町のイベントや観光施設で実際に使用されています。観光と環境保護を両立する取り組みとして注目されています。

さらに、他の企業も環境にやさしい素材の開発に取り組んでいます。たとえば三菱ケミカルは、植物由来素材で作った3Dプリンタ用スツールを大阪・関西万博で採用。積水化学工業も環境配慮型の住宅を展開しています。これらの技術革新は、SDGs(持続可能な開発目標)の達成にもつながっています。

まとめ
  • 帝人フロンティアは海洋生分解性ストローを開発
  • 材料は植物由来の「NEQAS-OCEAN」
  • 独自の加工技術で薄くて丈夫、タピオカ用にも対応
  • 微生物による分解で自然に戻るしくみ
  • 実用化が進み、他企業も環境素材の開発に注力

環境にやさしい素材を選ぶことは、未来の社会やビジネスのあり方を変える力を持っています。「環境にやさしい製品を選びたい」という人が増えることで、企業は持続可能な技術の開発を進めるようになります。みなさんは、どんな素材やアイデアがあれば、もっと地球にやさしい社会になると思いますか?ぜひ、自分のまわりの道具や素材に目を向けて、家族や友達と話し合ってみてください。