イオン株式会社のプレスリリース(2025年6月10日 10時30分)“ひまわりの種”からチョコレート!?最新テクノロジーが生んだ、新しいチョコレート代替品が日本初上陸! カカオを使用せずに作った トップバリュ「チョコか?」新発売
私たちがふだん口にしているチョコレートやお肉、牛乳は、将来どのような原料や技術で作られるようになるのでしょうか?
近年、世界では気候変動や動物性食品の価格高騰、環境問題を背景に「代替食品」という新しい選択肢が急速に広がっています。
たとえばイオンは「ひまわりの種」で作ったチョコレートを発売しました。代替食品の最新事例と、それを支える革新的な技術について見てみましょう。
カカオ不足と代替チョコレートの誕生
チョコレートの主な原料であるカカオ豆は、気候変動や生産国の労働環境などの影響で価格が高騰しています。実際、カカオの価格は過去2年間でおよそ3倍に上昇しました。
こうした中、イオンはドイツのスタートアップ企業が開発した技術を用いて、カカオを使わずに「ひまわりの種」で作った代替チョコレート「チョコか?」を発売しました。ひまわりの種を発酵・焙煎することで、カカオに近い香りや味わいを実現しています。安定した供給が可能な原料を使うことにより、環境への負荷も軽減される仕組みです。
世界に広がる代替食品の多様性
チョコレート以外にも、さまざまな代替食品が世界中で開発されています。
- キャロブチョコレート:イナゴ豆から作るキャロブパウダーは、自然な甘みがあり、ヘルシーなスイーツとして人気です。
- エンドウ豆やゴボウのチョコ:日本のメーカーによる、豆類や根菜を使った新しいチョコレートが注目されています。
- ソラマメやメスキート豆のチョコ:イギリスやアメリカでも、さまざまな豆を使った代替チョコが登場。
- 大豆ミート・培養肉:大豆から作る肉のほか、動物の細胞を培養して作る「培養肉」も実用化が進んでいます。
- 植物性ミルク:オーツミルクやアーモンドミルクといった植物由来のミルクを選ぶ人も増えています。

代替食品を可能にする最先端技術
植物性原料の加工技術
大豆や豆類といった植物性タンパク質を、押し出し成形などの技術を用いて本物の肉や魚に近い食感へと加工します。見た目や味の工夫により、従来の食品と変わらない満足感を実現しています。
精密発酵とバイオ技術
酵母や微生物を使い、牛乳や卵のタンパク質を人工的に生産する「精密発酵」技術も急速に進化しています。これにより、動物を介さずに乳製品や卵の代替が可能となっています。
細胞培養技術
動物の細胞を研究室で培養して肉を作る「培養肉」は、環境への負荷を大きく減らすことができ、動物福祉の観点からも注目されています。
食感・風味の再現技術
代替チーズやチョコレートには、発酵や焙煎、香料の活用によって本物に近い味わいや食感が追求されています。これにより、従来の味に慣れた人でも違和感なく楽しめる食品が登場しています。
関連ニュース
不二製油は、エンドウ豆やキャロブを使用した代替チョコレートを開発しました。日本国内でも、代替食品の開発に取り組む企業が増えており、精密発酵ミルクや培養肉などの新商品が次々と登場しています。
世界全体で、代替食品の分野は今後ますます拡大していくと見られています。
まとめ
- カカオ不足や環境問題が代替食品開発の背景にある
- ひまわりの種やキャロブ、豆類など多様な原料が活用されている
- 植物性タンパクの加工や発酵、細胞培養などの技術が支えている
- 健康・環境にやさしい食の選択肢が広がっている
- 日本や世界中で企業の開発が活発化し、未来の食卓が変わりつつある
これからの食生活は、環境問題や技術の進化とともに大きく変わっていきます。スーパーで見かけた新しい代替食品が、どんな素材や技術から生まれたのかを調べてみると、経済やビジネス、そして科学の知識を深めるきっかけになります。
食べ物の背景にあるストーリーを知ることで、あなたも未来の技術者や起業家を目指すヒントが見えてくるかもしれません。