この「カメ型ロボット」はかわいいだけじゃない、サンゴ礁も見守るスグレモノ - CNET Japan
プール掃除ロボットで知られるBeatbotが、泳ぐカメ型ロボットをCES 2026で披露した。
世界最大級のテクノロジー見本市CES 2026では、AIやロボット技術だけでなく、環境問題に向き合うテクノロジーも注目を集めまています。その中の一つが、ウミガメの動きをまねて泳ぐカメ型ロボットRoboTurtleです。見た目がユニークなだけでなく、サンゴ礁などの海中環境を「壊さずに調べる」技術として紹介されました。
なぜ今、水中ロボットが環境分野で注目されているのでしょうか。RoboTurtleを手がかりに、環境テックの最新動向を整理します。
CES 2026とは何か
CES 2026は、2026年1月6日から9日まで、アメリカ・ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー見本市です。主催は全米民生技術協会(CTA)で、AI、ロボット技術、半導体、自動車、ヘルステックなど、幅広い分野の新技術が集まりました。
近年のCESでは、便利さだけでなく、環境や持続可能性(将来も続けられる仕組み)を意識した技術展示が増えています。
カメ型ロボットRoboTurtle
CES 2026で展示されたRoboTurtleは、Beatbot社が開発したカメ型の水中ロボットです。2025年のCESでは動かない試作モデルでしたが、2026年には水槽内を実際に泳ぎ、手の動きに反応する様子が公開されました。
RoboTurtleは、プール清掃ロボットの技術を基にしながら、海中環境の調査にも使えるよう設計されています。
生物模倣技術でウミガメの泳ぎを再現
RoboTurtleの大きな特徴は、生物模倣技術(生き物の動きをまねる技術)です。開発チームは、自然環境で約2か月間ウミガメの動きを観察し、モーションキャプチャ技術を使って関節の動きや泳ぎ方を解析しました。そのデータを基に、ウミガメ特有のゆったりした泳法をロボットで再現しています。
RoboTurtleは水深5メートルまで潜ることができ、通信や位置情報の送信のために定期的に水面へ浮上します。背中にはソーラーパネルが搭載されており、水面で充電を行う仕組みです。
サンゴ礁を守るための環境調査ロボット
RoboTurtleは、研究者や環境NGOと協力して開発された環境調査用ロボットです。サンゴ礁のような複雑で壊れやすい場所では、人が直接入ったり大型機械を使ったりすると、生態系に影響を与える可能性があります。RoboTurtleは静かに泳ぎ、内蔵カメラで水質や魚の数を観測することで、環境への負担を抑えた調査を目指しています。
インドネシア近海では、船の座礁事故で損傷したサンゴ礁の回復状況を毎年調査する必要があります。そのような現場で、侵襲性の低い水中ロボットが求められていると報告されています。
水中ロボット研究の広がり
水中ロボットの研究はRoboTurtleだけではありません。米マサチューセッツ工科大学(MIT)では、魚のように自然に泳ぎながらサンゴ礁を観測する魚型ロボットが開発されています。コーネル大学では、液体電池を人工の血液のように使い、長時間泳ぎ続けるフィッシュロボットが報告されています。ドイツのマックスプランク知能システム研究所では、クラゲの動きを模したクラゲロボットが、海洋プラスチックごみ回収への応用例として紹介されています。
日本でも、東京工業大学をはじめとする研究機関で、水中を自力で泳ぐロボットや水泳動作を再現するヒューマノイドの研究が進められています。これらの技術は、海中調査や保全、清掃、設備点検などに活用されています。

まとめ
- CES 2026では、環境や持続可能性を意識したテクノロジーが多く展示されている
- RoboTurtleは、生物模倣技術とAIを組み合わせたカメ型の水中ロボット
- サンゴ礁など繊細な海中環境を、壊さずに調査することが目的
- 魚型やクラゲ型など、泳ぐロボット技術は世界中で研究が進んでいる
海洋保護の現場では、人間が立ち入ることが難しい場所が多く存在します。RoboTurtleのような水中ロボットは、私たちが知らない海の現状をAIの目を通して教えてくれる貴重な存在となります。技術の進化は、ただ便利な道具を作るだけでなく、地球上の他の生き物との共生を助ける役割も担っています。
あなたがテクノロジーを使って解決したい地球の課題は何ですか。新しい技術がサンゴ礁を救うように、皆さんのアイデアが未来の環境を守る大きな力になるかもしれません。
