楽天、経産省およびNEDOによる生成AIの開発力強化プロジェクト「GENIAC」に採択 | 楽天グループ株式会社

楽天グループ株式会社(以下「楽天」)は、経済産業省および国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)が推進する日本の生成AIの開発力強化を目的としたプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)プロジェクト」(以下『GENIAC』)の第3期公募に採択されたことをお知らせいたします(注1)。

AIは私たちの生活を大きく変えています。例えば、文章や画像を自動で作る「生成AI」は便利ですが、日本語をしっかり理解できるAIはまだ少ないのが現状です。
そこで注目されているのが、経済産業省とNEDOが進める「GENIACプロジェクト」です。楽天はこのプロジェクトに参加し、日本語に特化したAIを開発します。楽天が使う最新技術やAI開発の難しさ、社会への影響について考えてみましょう。

GENIACプロジェクトとは

「GENIACプロジェクト」は日本国内のAI技術を高める取り組みです。経済産業省とNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が支援し、企業に最新の計算資源や情報を提供しています。
楽天グループは2025年8月から、長い会話や複雑な内容を理解できる日本語特化の生成AIを研究開発します。目的は、日本語で自然に対話できるAIを実用化することです。

楽天の日本語生成AI開発

楽天は2024年3月から独自の日本語大規模言語モデル(LLM)の開発を進めています。以下の3つの特徴があります。

  • 日本語特化データの学習
    国内最大級の日本語データセットを使い、高度な日本語理解を実現します。
  • Mixture of Experts(MoE)技術
    AI内部で複数の専門モジュールを使い分け、小型で高効率な動作を実現し、計算コストを抑えます。
  • 長期記憶メカニズム
    過去の会話や長文を記憶し、ユーザーごとに適した応答を生成します。
日本語AI開発の難しさ

日本語はAIにとって非常に難しい言語です。以下の理由があります。

特徴日本語の課題
語順自由でルールが多様
主語省略会話で主語を省くことが多い
敬語表現が複雑で多様
同音異義語たくさん存在し、文脈での理解が必要
文字体系ひらがな、カタカナ、漢字が混在し解析が難しい

楽天は形態素解析や長期記憶技術を活用し、これらの課題を克服しようとしています。例えば、会話の流れを理解し、相手の意図に合わせた応答を目指します。

AI活用の広がり

2025年5月にはGENIACプロジェクトの一環として「GENIAC-PRIZE」が始まり、24社が社会実装を目指したAIの実験を進めています。
楽天は自社サービスでもAIを活用し、検索や広告の最適化、業務効率化を図っています。また、他の企業も医療、製造、小売などで生成AIを導入し、サービス向上を目指しています。

関連ニュース

最近では、GoogleやMetaも日本語対応の生成AIを強化しています。日本企業だけでなく、世界の大手テック企業も日本語市場を重要視しています。これにより、AIの競争が激しくなり、利用者にはより便利なサービスが提供されるようになります。

まとめ
  • 経済産業省とNEDOが日本語AI開発を支援
  • 楽天はGENIACで日本語特化生成AIを開発
  • 日本語はAIにとって語順や表現が難しい
  • MoE技術と長期記憶で自然な対話を目指す
  • 国内外でAI活用が加速し、生活や産業を変える

日本語に強いAIが生まれると、翻訳、検索、教育、接客など多くの分野で便利になります。しかし、どんなに優秀なAIでも人間の考えや文化を理解するのは簡単ではありません。
みなさんも、普段使っているアプリやウェブサイトがどんなAIを使っているのか調べてみませんか。どんな仕組みで動いているのかを知ることで、将来の仕事や勉強のヒントが見つかるかもしれません。AIとどう付き合うか、自分なりに考えてみることをおすすめします。