NASAの探査車が火星で発見した“奇妙な岩石”の数々 | WIRED.jp

米航空宇宙局(NASA)の火星探査車「パーサヴィアランス」が火星で奇妙な岩石を発見した。しかし、実は火星で奇妙な岩石が発見されたのは今回が初めてではない。そこで、これまでに見つかった奇妙な岩石を写真で紹介していこう。

NASAの火星探査車「パーサヴィアランス」は、火星の「ジェゼロ・クレーター」で探査を行っています。この場所は、かつて湖だった可能性があると考えられています。
2024年には、「セント・ポールズ・ベイ」と名付けられた小石の集合体が発見され、科学者の注目を集めています。この岩石群は火星の地質と水の歴史を解明する手がかりになるかもしれません。

パーサヴィアランスに搭載された最新技術

火星の岩石を調査する7つの科学機器
探査車パーサヴィアランスには、「SuperCam」「Mastcam-Z」「PIXL」「SHERLOC」など、合計7つの科学機器が搭載されています。これらの機器はレーザーやX線、分光器などを使い、遠隔で岩石や土壌の化学組成や有機分子を調べることができます。

地球に持ち帰るためのサンプル採取技術
パーサヴィアランスは、岩石サンプルを採取・密封して保存するシステムも備えています。これらのサンプルは2030年代初頭に地球へ持ち帰られる予定で、火星の生命や地質の歴史に関する重要な情報が得られると期待されています。

セント・ポールズ・ベイ:丸い石の集合体が語る謎

地球のコンクリーションに似た構造
「セント・ポールズ・ベイ」と名付けられたこの岩石群は、丸く小さな石が集まったような構造をしており、一部には小さな穴や楕円形の石も含まれています。この構造は、地球で地下水と鉱物の反応によってできる「コンクリーション」と似ていることから、同様の反応が火星でも起きた可能性が指摘されています。

堆積地形と水の痕跡
発見場所周辺には、かつての水の流れを示す堆積地形や地層の痕跡も見られ、火星に長期的な水循環が存在した可能性を示しています。このことは、火星の気候変動や地殻活動の理解にもつながります。

NASA/JPL-CALTECH/ASU
生命の存在を示す証拠?

パーサヴィアランスは過去のミッションで、有機分子を含む岩石や、鉄やリン酸の高濃度な場所を発見しています。これらの物質は、地球では微生物が存在する場所によく見られますが、火星でも同様かどうかは今後の研究次第です。

サンプルリターンミッションの未来

NASAは欧州宇宙機関(ESA)と連携し、火星で採取したサンプルを地球に持ち帰る「火星サンプルリターンミッション」を進めています。しかし、技術的・予算的な課題から、現在スケジュールの見直しが検討されています。

まとめ
  • パーサヴィアランスは7つの科学機器で火星の地質と生命の痕跡を調査
  • セント・ポールズ・ベイの発見は水の存在と地質活動の可能性を示唆
  • 有機分子や鉱物の集中も生命の痕跡として注目
  • 採取した岩石サンプルは2030年代に地球へ持ち帰られる予定

火星の地質と生命の可能性を探る研究は、私たちの宇宙への理解を深めるだけでなく、地球上の環境や生命の成り立ちにもヒントを与えてくれます。火星探査の進展により、未来の宇宙開発や科学技術の進歩が加速するかもしれません。あなたなら火星でどんな発見をしたいですか?