「たまごっちにニューラルネットワークがあって何かを学習できたらどうなる?」を実現した電子ペットのイカ「Dosidicus」 - GIGAZINE

たまごっちのように画面の中のペットを世話することで成長したり一生を終えたりする電子ペットに、ニューラルネットワークを組み込むことで学習能力を与えた「Dosidicus」がGitHubで公開されています。

もし「たまごっち」のような電子ペットが、育て方によって性格まで変わるとしたら、どう感じるでしょうか。近年、電子ペットにAI(人工知能)を組み合わせた試みが増えています。その一例が、ニューラルネットワークを使って行動を学習するAIペット「Dosidicus(ドシディクス)」です。

たまごっちとの違いや、ニューラルネットワークの役割を知ることで、「AIは何ができる技術なのか」が見えてきます。

Dosidicusとは?たまごっち型AI電子ペットの特徴

Dosidicusは、画面の中の生き物を世話する点では、たまごっちに代表される電子ペットと共通しています。大きな違いは、行動があらかじめ固定されていないことです。AIペットであるDosidicusは、ユーザーとの関わりや環境の変化を通じて行動パターンを学習します。

同じように育てたつもりでも、違う性格に育つ可能性がある点が特徴です。これは、AIが内部で計算方法を少しずつ変えているためです。

ニューラルネットワークとは何か

Dosidicusの中核にあるのがニューラルネットワークです。ニューラルネットワークは、人間の脳の神経回路を参考にした計算の仕組みで、データや経験から判断の傾向を学びます。
簡単に言えば、「経験を積むほど、選択が変わる仕組み」です。これはテストで間違えた問題を復習し、次に同じ問題が出たときに正解しやすくなる感覚に近いです。

入力・隠れ・出力の三層構造
基本的なニューラルネットワークは、次の三つの層で構成されます。

  • 入力層:周囲の情報を受け取る
  • 隠れ層:情報を組み合わせて判断する
  • 出力層:行動や結果を決める

この構造により、電子ペットのAIは「状況に応じた行動」を少しずつ変化させます。

AIペットに「性格」が生まれる理由

Dosidicusには、誕生時に複数の性格パターンが割り当てられます。臆病、冒険好き、内向的、活発といった違いがあり、同じ状況でも反応が変わります。

AIペットに性格があるように感じられるのは、ニューラルネットワークが行動の重み付けを変えているためです。

学習の仕組み:ヘッブ則とは

Dosidicusでは、ヘッブ則(Hebbian learning)という学習の考え方が紹介されています。これは「同時に起こることが多い行動や状況ほど、結びつきが強くなる」という原理です。
例えば、空腹時に特定の行動を取り、良い結果が続くと、その行動が選ばれやすくなります。これがAIペットの行動が変わる理由です。

従来の電子ペットとの違い

従来の電子ペットは、条件分岐(If文)によって行動が決まる仕組みが中心でした。そのため、遊び続けると行動が予測しやすくなります。
一方、AIペットであるDosidicusは、学習によって行動が変わるため、結果が毎回同じになりにくい点が特徴です。

似たAIペットの例

AIを使った電子ペットの例は他にもあります。

  • Pwnagotchi:環境情報を学習して行動を変えるAIペット
  • ファービー:遊び方によって反応が変わる電子玩具

比較すると、Dosidicusは学習の仕組みを体験的に理解できる点に特徴があります。

初心者が触るならどこから?

DosidicusはGitHubで公開されているプロジェクトとして紹介されています。最初は、コードを完全に理解しようとせず、以下の流れで試すと迷いにくいです。

  1. プロジェクトのREADMEを読む
  2. デモや実行例を確認する
  3. 動作を観察し、行動の変化に注目する

「AIペットがどう変わるかを見る」だけでも、ニューラルネットワークの考え方を体感できます。

よくある質問(FAQ)

Q. AIペットはChatGPTと同じですか?
A. どちらもAIですが、目的と仕組みが異なります。Dosidicusは会話AIではなく、行動学習に特化したAIペットです。

Q. 中高生が学べるポイントは何ですか?
A. 入力・処理・出力という情報処理の流れと、学習によって行動が変わる仕組みを直感的に理解できます。

まとめ
  • DosidicusはAIを使った次世代型電子ペット
  • ニューラルネットワークにより行動や性格が変化
  • たまごっち型の体験を通じてAIの基礎が学べる
  • 初心者でも観察からAIを理解できる

電子ペットにAIを組み合わせることで、「遊び」が「学び」に変わります。たまごっちの延長線上にあるAIペットは、難しい数式や専門知識がなくても、ニューラルネットワークの考え方を体感できる入口です。

あなたなら、どんな育て方でAIペットの性格を変えてみたいでしょうか。