JAXA | 北極の冬季海氷域面積が衛星観測史上最小を記録
「北極の冬季海氷域面積が衛星観測史上最小を記録」を掲載しています。 -宇宙航空研究開発機構 JAXA(ジャクサ)は、宇宙航空分野の基礎研究から開発・利用に至るまで一貫して行う機関です。
北極の氷がどんどん減っていることを知っていますか?2025年3月、北極の冬の海氷面積が過去47年で最も小さくなりました。
この変化はJAXA(宇宙航空研究開発機構)の人工衛星が明らかにしました。なぜ氷が減っているのでしょうか?そして私たちの生活にどんな影響があるのでしょうか?
気候変動と海氷減少の関係、そして人工衛星の最新技術について考えてみましょう。
北極の海氷はなぜ減っている?
北極の海氷は毎年冬に広がり、3月に最大になります。しかし2025年3月の観測では、その面積が1379万平方キロメートルと過去最小でした。
この記録は、JAXAと国立極地研究所が過去47年分のデータから確認したものです。主な原因は地球温暖化です。人間の活動によって排出される温室効果ガスが気温を上げ、氷を溶かしているのです。

過去に比べて氷が減っている
氷が減ると地球にどんな影響が?
氷は太陽の光を反射する働きがありますが、減ると海水が熱を吸収しやすくなります。これが温暖化をさらに進める「悪循環」を引き起こします。また、北極の急激な温暖化は、ジェット気流を乱して世界中の異常気象の原因になります。
たとえば日本では、大雪や大雨が増える可能性があります。さらにグリーンランドの氷が溶けると、海面が上がり、沿岸の町に影響を与えることも考えられます。
人工衛星が捉える海氷の変化
JAXAの人工衛星「しずく」には、マイクロ波放射計「AMSR2」が搭載されており、雲や夜間でも海氷を観測できます。これにより、氷の広がりや厚さを毎日正確に測ることが可能です。2025年度には、さらに進化した「AMSR3」を搭載した新しい衛星「GOSAT-GW」が打ち上げ予定です。
この衛星は温室効果ガスや水の循環の変化も同時に観測でき、地球環境の追跡に役立ちます。「TANSO-3」という装置も搭載され、二酸化炭素やメタンの排出源を特定することができます。

生き物や社会への影響も深刻
海氷の減少は、ホッキョクグマなど北極の動物たちの住む場所を奪い、生態系のバランスを崩します。また、永久凍土が溶けることで、地中にあったメタンガスが放出され、温暖化がさらに進行する可能性もあります。
こうした自然の変化は、私たちの暮らしや経済にも大きな影響を与えるのです。
世界中で進む研究と技術開発
南極の海氷も減少していることが研究から明らかになっています。また、NASAはAIを活用して氷の崩壊を予測する技術を開発中です。
これらのデータは、国際的な気候モデルに組み込まれ、気候の将来予測に活用されています。JAXAの衛星技術も、世界中の研究者と連携しながら、地球の未来を守るために使われています。
今日のまとめ
- 2025年3月、北極の海氷が観測史上最小に
- 原因は地球温暖化と温室効果ガスの増加
- 人工衛星で氷の面積や厚さを毎日観測可能
- 氷の減少は異常気象や海面上昇のリスクを高める
- 世界中でAIや衛星を活用した研究が進行中
北極の氷が減ることで、地球全体のバランスが崩れてしまう可能性があります。人工衛星やAIは、こうした変化を見逃さずに記録し、私たちに警告を与えてくれます。もし氷が完全になくなったら、世界はどうなるのでしょうか?
身の回りの環境や世界のニュースに興味を持ち、自分にできることを考えてみてください。技術や科学は、未来を変える力になります。