「かゆいっ」訪日客急増 ホテルの客室襲うトコジラミ、市販殺虫剤も効かず駆除依頼が殺到 - 産経ニュース

インバウンド(訪日客)の拡大に足並みをそろえるかのようにホテル客室でトコジラミ(南京虫)の発生が急増している。駆除サービスを展開するダスキンでは、2023年度…

近年、ホテルや旅館での「トコジラミ」被害が急増しています。
訪日観光客の増加や物流の発展により、耐性型トコジラミの発生が問題になっています。しかし、最新技術を活用した駆除・予防策が登場し、例えば米国の "Heat Assault" の高温加熱システムや、日本の "Bug Zero" のAI駆除ロボットが注目されています。
トコジラミの拡大の理由や、AIやIoTを活用した次世代の害虫対策を見てみましょう。

トコジラミとは? 日本での歴史と特徴

トコジラミ(南京虫)はカメムシの仲間で、人間の血を吸う害虫です。江戸時代末期に海外から持ち込まれ、戦前には全国的に広がりました。しかし、戦後の衛生環境の改善や殺虫剤の普及で一時的に減少しました。

近年では訪日外国人観光客や物流の活発化により、再び国内での被害が拡大しています。特に都市部のホテルや旅館では発生が目立ち、宿泊施設の衛生管理が求められています。

トコジラミ急増の理由

トコジラミが急増している背景には、以下の要因が挙げられます。

  1. 海外からの持ち込み
    訪日外国人や輸入品に付着したトコジラミが国内に持ち込まれるケースが増加しています。環境省の報告によると、2022年の国内宿泊施設でのトコジラミ発生件数は前年より35%増加し、東京都の保健所への相談件数は2007年の年間63件から2022年には年間405件に増加しており、特に都市部のホテルでの被害が顕著です。旅行者が宿泊施設から自宅へ持ち帰ることも多く、注意が必要です。
  2. 薬剤耐性型の出現
    市販の殺虫剤に対する耐性を持つ「スーパートコジラミ」が増えており、特にピレスロイド系や有機リン系の殺虫剤に抵抗性を示す個体が多く、従来の駆除方法では効果が期待できません。
  3. 都市部での密集環境
    住宅や宿泊施設が密集する都市部では、トコジラミが広がりやすくなっています。
最新技術を活用した対策

耐性型トコジラミの駆除には、従来の方法に加え、最新技術を活用したアプローチが重要です。

1. 熱処理
トコジラミは50℃以上の熱に弱いため、布団乾燥機やスチーマーを使用して家具や寝具を加熱することで駆除できます。

2. AI駆除ロボット
AI駆除ロボットはトコジラミを検知し、自動で駆除します。
例えば、ダスキン ターミニックスはバキューミングやドライアイス冷却を活用し、耐性型トコジラミの駆除に成功しています。高精度カメラと画像認識技術で害虫を特定し、機械学習アルゴリズムで環境に応じた最適な駆除方法を自動調整します。

3. IoTセンサーによるモニタリング
IoTセンサーを設置することで、トコジラミの発生状況をリアルタイムで監視し、早期発見と迅速な対策が可能になります。

4. 専門業者による対策
専門業者は有機リン系などの特定薬剤や燻煙剤を用いた駆除を行い、耐性型トコジラミにも対応しています。

トコジラミに刺された場合の対処法
  1. 抗ヒスタミン薬の使用
    かゆみや炎症を抑えるため、市販の抗ヒスタミン薬入りクリームを塗布します。
  2. かきむしらない
    かきむしると感染症や色素沈着の原因になるため、冷湿布などで対処しましょう。
  3. 衣類や寝具の洗浄
    50℃以上のお湯で洗濯し、高温乾燥機で処理することでトコジラミを駆除できます。
宿泊業界への影響と未来

トコジラミ問題は観光業にも影響を与えています。東京都内の一部ホテルでは発生による営業停止が報告され、駆除や点検コストが宿泊料金の上昇を招いています。しかし、最新技術の導入により、効率的な駆除と予防が進み、宿泊環境の向上が期待されています。

まとめ
  • トコジラミは繁殖力が高く、一度発生すると短期間で広範囲に広がる。
  • 耐性型トコジラミには、市販の殺虫剤では効果が薄いため、熱処理やAI技術などの新しい方法が求められる。
  • 刺された場合は適切なケアと環境清掃を行い、被害の拡大を防ぐことが大切。

みなさんも、AIやIoTを活用した害虫対策に注目してみてはいかがでしょうか?
例えば、プログラミングを学んでAIの画像認識技術を活用した害虫検出システムを作ることや、IoTセンサーのデータ解析を行うスキルを身につけることで、実際の問題解決に貢献できます。