人間の脳には「スプーン1本分」のナノプラスチック、脳の重量の0.5%相当 新研究 - CNN.co.jp

2024年初頭の検視解剖で収集された認知的に正常な人間の脳には、8年前よりも多くのプラスチック小片が含まれていることが新たな研究で明らかになった。

プラスチック製品は私たちの生活に欠かせません。しかし、その中にはとても小さな「ナノプラスチック」と呼ばれる粒子があり、これが人体にどんな影響を与えるのかが問題視されています。

最近の研究では、ナノプラスチックが脳に入り込む可能性があると報告されています。ナノプラスチックの影響や、それを防ぐための最新技術について見てみましょう。

ナノプラスチックとは?

目に見えない小さな粒子
ナノプラスチックは、非常に小さいプラスチックの粒です。サイズは1~200ナノメートルで、目には見えません。空気や水に混じって広がり、食べ物や飲み物を通じて体の中に入ることがあります。

ナノプラスチックの発生源

  • プラスチック製品の劣化:長期間の使用や紫外線の影響で細かく分解される。
  • 化粧品や歯磨き粉:一部の商品には小さなプラスチックの粒が含まれている。
  • 衣類やタイヤ:洗濯や走行時に摩耗し、微粒子が発生する。
  • 適切に処理されないプラスチックごみ:環境中で細かく分解される。
ナノプラスチックが脳に侵入する仕組み

血液脳関門の突破
通常、脳は「血液脳関門」というバリアで守られています。しかし、ナノプラスチックは脂肪と結びつきやすく、このバリアをすり抜けることが研究で示唆されています。

鼻から直接脳へ
空気中のナノプラスチックを吸い込むと、鼻を通じて直接脳に入る可能性もあります。

ナノプラスチックが健康に与える影響

脳への影響

  • 脳の炎症や酸化ストレスを引き起こす可能性。
  • 記憶力や判断力への影響が懸念される。

呼吸器や消化器への影響

  • 空気中のナノプラスチックを吸い込むと、肺にたまり、呼吸器の病気を引き起こす可能性。
  • 食品や水を通じて摂取すると、腸内環境を悪化させ、消化器系に影響を及ぼす可能性。

免疫や胎児の発育への影響

  • 免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなる可能性。
  • 妊婦の体内に入ると、胎児の成長に悪影響を与える可能性。
ナノプラスチックを減らすための技術

フィルタリング技術
飲み水や空気からナノプラスチックを取り除く特殊なフィルターが開発されています。

微生物による分解
特定の微生物や酵素を使って、ナノプラスチックを分解する技術が研究されています。

代替素材の活用
プラスチックの代わりに、紙や生分解性プラスチックなど、環境にやさしい素材が開発されています。

リサイクルの取り組み
スウェーデンでは、ペットボトルの回収率を90%以上にする制度があり、日本でも『ボトルtoボトル』というペットボトルを再利用する技術が進められています。

まとめ
  • ナノプラスチックは私たちの体に入る可能性があり、特に脳や免疫への影響が懸念される。
  • そのリスクを減らすために、フィルタリング技術や分解技術が開発されている。
  • 使い捨てプラスチックを減らし、環境にやさしい素材を活用することが重要。

ナノプラスチックの問題を知ることは、未来を守るための第一歩です。
例えば、リサイクルを積極的に行う、使い捨てプラスチックを減らす、環境にやさしい商品を選ぶなど、小さな行動が大きな変化につながります。この問題について家族や友達と話し合ってみませんか?