「このためだけに来た」 交換不要なコイン電池、CESでも話題 SMK | 電波新聞デジタル
【ラスベガス(米ネバダ州)=CES取材班】コイン電池「CR2032」を代替する、SMKの交換不要な自立給電型コインバッテリーモジュールが「CES 2025」でも話題をさらっている。ブース来場者の多くがこのモジュール目当てで、「このためだけに、このホール(展示場)に来た」という来場者がいるほど。CR2032は用途が広く身近な電池だけに、さまざまな業種業態からアプローチが寄せられている。 「発表以来
電池を交換する手間、面倒だと感じたことはありませんか?そんな悩みを解決する画期的な技術が登場しました。
自立給電型のコイン電池モジュールが、世界最大級の技術見本市CES 2025で大きな注目を集めています。この電池は交換不要で、環境から得たエネルギーを利用する仕組みです。どんな仕組みで動くのか、どんな可能性が広がるのか、見てみましょう。
自立給電型コイン電池とは?
交換不要な自立給電型コイン電池は、以下のような特徴を持っています。
- エナジーハーベスティング技術:周囲の光や振動、熱などのエネルギーを電力に変える仕組み
- 小型太陽光パネル搭載:自然光を利用して発電
- 無線通信機能の統合:Bluetooth Low Energy(BLE)5.3技術を活用し、省電力で通信可能
- 多機能設計:電池、太陽電池セル、通信回路、各種センサーを一体化
これにより、交換の手間がかからず、環境にも優しい製品となっています。
コイン電池の便利さと不便さ
コイン電池はそのコンパクトさと汎用性から、幅広い用途で使用されていますが、いくつかの課題も存在します。
便利さ
- 手軽な交換:ほとんどのコイン電池は簡単に交換可能。
- 幅広い用途:リモコン、時計、医療機器など、様々なデバイスに対応。
- 低コスト:市販されているため手に入れやすい。
不便さ
- 交換の頻度:使用状況によっては頻繁な交換が必要。
- 環境への影響:使い捨てが多いため、廃棄物の増加につながる。
- 特殊な設置環境:密閉空間や高所では交換が困難。
これらの課題を解決するため、自立給電型コイン電池の技術が開発されました。
CES 2025での評価
SMK株式会社が開発したこのコイン電池モジュールは、「CES Innovation Awards 2025」のSustainability & Energy/Power部門で受賞しました。以下の点が評価されています。
- コンパクト設計:コイン電池CR2032と置き換え可能で、既存のデザイン変更が不要。
- 持続可能性:環境に優しいエナジーハーベスティング技術を採用。
- 幅広い用途:家庭用リモコンから産業用センサーまで対応可能。
どこで活躍するの?
この新しい電池は、次のような場面で使われる可能性があります。
- 家庭内機器:リモコンや小型センサーなど。
- 産業用機器:工場やビルの管理システム。
- 特殊な場所:電池交換が難しい密閉空間や遠隔地。
特に、交換が難しい場所での利用が期待されています。
課題と可能性
技術的には画期的ですが、いくつかの課題も指摘されています。
- 太陽光が届きにくい環境:透明なケースや設置場所の工夫が必要。
- コスト:初期費用が高いことが普及の妨げとなる可能性。
それでも、振動や熱を利用した発電技術の追加など、課題解決に向けた研究が進んでいます。また、外部アンテナを使用したワイヤレス電力伝送にも対応しており、さらなる応用が期待されています。
まとめ
- 自立給電型コイン電池は、環境負荷を軽減し、電池交換の手間を省く未来型の技術
- 家庭用から産業用まで幅広い分野で活用が期待されている
- 普及に向けたコスト削減や設置環境の工夫が課題
最近では、エネルギー効率を重視したスマート家電や持続可能なエネルギー利用の技術が注目されています。この流れにより、自立給電型電池の需要はさらに高まると考えられます。
自宅の電子機器に使われている電池を観察し、その用途を考えてみてください。この技術が普及すれば、私たちの生活はどのように変わるでしょうか?ぜひ家族や友達と話し合い、新しい技術がもたらす可能性について考えてみてください。未来のエネルギー社会を想像する一歩を踏み出しましょう!