キラウエア火山で巨大な溶岩が噴出しウェブカメラが破壊される瞬間が撮影される - GIGAZINE
現地時間の2025年12月6日(土)、ハワイ火山国立公園にあるキラウエア火山で巨大な溶岩が噴出しました。溶岩が噴出する瞬間はウェブカメラが撮影していたのですが、カメラに溶岩が直撃してしまい、破壊されるという貴重な映像を撮影することに成功しています。
2025年12月6日、ハワイのキラウエア火山で観測用ウェブカメラが溶岩流に呑み込まれる映像が世界に公開されました。この映像には、火口付近で巨大な溶岩噴泉が立ち上がり、観測機器へ迫る様子が克明に残されています。
一方で、地球温暖化による氷河融解が火山噴火を増加させる可能性も複数の研究から示されています。火山観測技術と地球規模の気候変動という二つの視点から、火山と氷河の関係を整理します。
キラウエア火山と破壊されたウェブカメラ
ハワイ火山国立公園では、V3camと呼ばれる観測用ウェブカメラが溶岩によって破壊されました。これは米国地質調査所(USGS)が設置していたもので、火口付近での噴火活動を24時間継続的に監視していました。映像には溶岩噴泉や飛散するテフラが捉えられ、最終的に加熱と衝撃で通信が途絶する瞬間まで記録されています。
危険区域内で動き続ける観測技術は、人の立ち入りが困難な環境で火山活動を理解するための重要な役割を果たしています。
氷河融解と火山噴火──キラウエアとは異なるメカニズム
氷河は長期間の降雪が圧縮されて形成された巨大な氷の塊であり、その重量は地殻に大きな負荷をかけています。この重さが地下のマグマやガスの膨張を抑え、噴火を抑制する働きを持つと報告されています。
しかし、温暖化によって氷河が融解し重量が減少すると、地殻にかかる圧力が下がり、マグマだまりが膨張しやすくなります。南米パタゴニアの火山研究では、氷河融解後に噴火頻度や規模が増加した事例が科学的に裏付けられています。
温暖化と火山噴火のフィードバック構造
2020年の研究では、氷河の下約5km以内に活火山が245地点存在すると報告されています。特にロシアや北アメリカ、ニュージーランドでは氷河後退に伴う火山活動の変化が注目されています。また、火山噴火による温室効果ガスが大気中に蓄積すると地球温暖化が進み、さらなる氷河融解と噴火増加につながる可能性も指摘されています。
氷河融解と噴火は単なる環境現象ではなく、地球規模の循環構造として理解が進められています。
観測技術の役割
2025年11月にはインドネシア・スメル山でも大規模噴火が発生し、火砕流が約8kmに達しました。この現場でも監視カメラや観測センサーが住民の避難判断を下すための重要な情報源となりました。火山監視技術は災害リスクを低減し、観測データを通じて今後の火山活動を理解するために不可欠です。

まとめ
- キラウエア火山ではウェブカメラが溶岩流により破壊され、貴重な観測映像が記録された
- 氷河の重量は地下のマグマ膨張を抑え、融解後には噴火頻度が増加する可能性が研究で示されている
- 世界には氷河の下に活火山が多数存在し、温暖化と噴火の関係が注目されている
- 火山観測技術は危険地域でのデータ取得と防災に不可欠
キラウエア火山の観測映像や氷河融解と火山活動の研究は、テクノロジーが地球の活動を理解する手段となっていることを示しています。氷河融解と火山噴火は地域や火山の種類によって関係が大きく異なります。特にキラウエア火山の噴火は氷河融解とは直接関係がなく、ホットスポット由来で継続する活動と確認されています。
対して氷河下にある火山では、氷の重みが噴火を抑え、融解後に噴火が増える例が研究により示されています。
「氷河がさらに融けると火山活動はどう変わるのか」という問いを持ち、最新の観測映像や研究データに触れてみると、地球の変動をより立体的に理解できるかもしれません。調べる・知る・考えるという行動が、未来の選択肢を広げるきっかけになります。
