ヤマハ 出展物リスト | Japan Mobility Show 2025
Japan Mobility Show,ジャパンモビリティショー,JMS
都市の移動を支えるバイクや車の燃料が「水素」に置き換わる動きが進んでいます。ヤマハ発動機とトヨタ自動車が共同開発した水素燃料二輪車「H2 Buddy Porter Concept」は、Japan Mobility Show 2025で世界初公開されました。
水素内燃エンジンは走行中にCO₂をほとんど排出しないことから、環境性能と実用性を両立する技術として注目されています。
Japan Mobility Show 2025とは
Japan Mobility Show 2025は、東京ビッグサイトで開催される国内最大級のモビリティ展示会です。四輪・二輪に加え、ロボティクス、AI、電動化、水素エネルギーなど、移動に関わる幅広い技術が集まります。
2025年開催では「脱炭素」と「次世代モビリティ」が主要テーマとなり、多くの企業が新しい移動手段と持続可能な社会に向けた取り組みを発表しました。
「H2 Buddy Porter Concept」の技術
「H2 Buddy Porter Concept」は、水素を燃料とする内燃エンジンを搭載した二輪車です。
- 後部ボックス内にトヨタが開発した二輪用高圧水素タンクを4本搭載(容量約23L)
- 1回の満充填で約100kmの走行が可能
- 水素と空気を混合して燃焼し、排出物は水が中心
- CO₂排出はほとんど発生しない
高圧水素タンクは保護フレームで守られ、前後43.5G、左右63Gの耐衝撃性が確保されています。都市部の配送用途や日常移動を想定した設計となっています。

Japan Mobility Show 2025 ウェブサイトより
水素バイクとEVの違い
| 項目 | 水素バイク(内燃型) | EV(電動) |
|---|---|---|
| 走行方式 | 水素を燃焼 | バッテリー電力でモーター駆動 |
| 充填・充電 | 約3分で補充可能 | 充電に数十分〜数時間 |
| 排出物 | 主に水 | 排出物なし |
| 課題 | ステーション整備 | 充電インフラ・バッテリー寿命 |
水素は短時間でエネルギー補給ができる点で、商用利用や長距離移動に適しています。一方、EVは静粛性や整備性に優れています。それぞれに強みがあり、用途に応じた選択が重要です。
水素燃料の補充とインフラ
水素燃料は「水素ステーション」で補充します。専用ノズルを接続し、ガソリン給油と同様の手順で約3分で完了します。
- 日本国内の水素ステーション稼働数:約154か所(2025年時点)
- ガソリンスタンド:約27,000か所
現段階ではインフラの整備が課題で、普及にはさらなる拡大が必要です。
水素とガソリンのコスト比較
| 項目 | 水素燃料 | ガソリン |
| 単価 | 約1,200円/kg | 約160〜180円/L |
| 満充填費用 | 約6,000〜7,000円 | 約8,000〜9,000円 |
| 走行時の排出物 | 水が中心、CO₂ほぼゼロ | CO₂を含む排気ガス |
燃費は車両や方式により異なりますが、現時点ではガソリン車と同等かやや劣ることがあります。

世界の動向
- 日本政府は2030年までに水素ステーション1,000か所を目標
- 欧州や中国ではバス・トラックなど大型商用車で水素化が進展
水素は「発電・運搬・走行」など幅広い領域で活用が検討されており、エネルギー政策の中核として位置づけられています。
まとめ
- 「H2 Buddy Porter Concept」は環境性能と実用性を両立する水素バイクの実証モデル
- 充填は短時間で、運用感覚はガソリン車に近い
- インフラ整備と燃料コストが普及の鍵
- EVと水素のどちらか一方ではなく、用途に応じた共存が現実的
水素燃料バイクは、都市の移動や物流に新しい選択肢をもたらす可能性を持っています。一方で、インフラやコスト面の課題は依然として存在します。技術が成熟し社会が整った時、あなたの街を走るバイクは「水素」が当たり前になっているかもしれません。
未来の移動がどのように変わるのか、身近な移動手段から考えてみることは、私たち自身の暮らし方を見つめ直すことにもつながります。
