高速道路における逆走対策の推進について | NEXCO東日本
NEXCO東日本からのプレスリリースです。「高速道路における逆走対策の推進について」。【NEXCO東日本オフィシャルサイト】NEXCO東日本(東日本高速道路株式会社)は関東以北、長野、新潟から北海道までの高速道路を管理しています。
高速道路の逆走事故は毎年約200件発生し、重大事故につながる危険性が高い社会課題です。
NEXCO東日本は2025年11月、逆走を物理的に阻止する埋め込み式ブレードなどの最新技術を、2028年度までに計65カ所へ導入する計画を発表しました。なぜ逆走が起こるのか、どのようなテクノロジーで防止できるのか。交通と技術がどのように結びついて安全をつくるのかを考えてみましょう。
逆走事故の現状
高速道路では年間約200件前後の逆走事案が報告されています。2024年の統計では220件が逆走に該当し、50件が事故に発展し、4件が死亡事故となりました。高齢ドライバーによる事案が多い点も特徴で、出口や分岐部、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)付近での発生が目立ちます。
NEXCO東日本の管轄だけでも2024年に19件の逆走事故が確認されており、道路構造が複雑な地点でリスクが高まる傾向にあります。
逆走事故はなぜ起きるか
国土交通省とNEXCO東日本の分析によると、逆走が起きる主な理由は複数あります。
出口や分岐で道を誤り、元の道へ戻ろうとしてUターンするケースが最も多く、標識の見落としも目立ちます。夜間や悪天候では視認性が下がり、高齢者は表示に気づきにくくなる傾向があります。また、都市部のジャンクションなど複雑な構造では方向感覚が失われやすく、認知機能の低下や長時間運転による注意力低下も要因になります。
これらの要素が重なることで逆走につながっています。
NEXCO東日本の逆走防止策
NEXCO東日本は2025年11月、逆走リスクが高い65カ所を「重点対策箇所」に指定し、2028年度までに最新技術を順次導入する計画を公表しました。
注目されるのは、路面に埋め込んだブレードが誤進入を物理的に阻止する埋め込み式ブレードです。ほかにも、逆走方向へ進むと強い警告表示を示すプレッシャーウォール、振動で注意喚起するウェッジハンプ、進行方向を強調する防眩板、進入不可を直感的に理解させる錯視ペイントなどが挙げられます。
また、AIカメラや自動通報システムの導入も進み、デジタルと物理対策を組み合わせた安全確保の取り組みが広がっています。

国土交通省の取り組み
国土交通省は2025年11月、全国188カ所の逆走リスク地点を「逆走重点対策箇所」として選定しました。逆走防止技術の全国カタログも公表され、各NEXCOが現場の特性に応じて最適な技術を導入しています。警察との合同訓練や実証実験も活発に行われ、交通安全に向けた全国的な取り組みが強化されています。
まとめ
- 高速道路の逆走事故は毎年約200件発生し、重大事故につながりやすい
- 道迷い、認知機能低下、標識見落としなど複合要因で逆走が発生
- NEXCO東日本は65カ所へ最新の物理・視覚対策を導入予定
- 埋め込み式ブレードやAI監視など多面的な逆走防止技術が進展中

高速道路の逆走防止対策は、物理技術とデジタル技術を組み合わせた安全設計の最前線です。逆走が発生する背景を分析し、最適な装置を選んで配置する取り組みは、交通インフラにおけるテクノロジー活用の象徴といえます。日常生活で利用する道路に高度な技術がどのように組み込まれているかを知ることで、社会の安全を支える仕組みに目を向けるきっかけになります。
家族や友人と「未来の交通をどのように安全にしていくべきか」を話し合い、自分たちができる行動について考えてみてください。
