日本発の指輪型コントローラー「ピコリング」は、“マウスの次”を目指して進化する | WIRED.jp
指輪型のウェアラブルコントローラーでデジタル機器を操作する技術を、東京大学大学院特任助教の高橋亮が開発した。PCにおけるマウスのように直感的な操作を、VRや空間コンピューティングの世界においても実現することが狙いだ。
スマートフォンを触らずに、指の動きだけで機器を操作できたらどう思いますか?そんな未来が現実になりつつあります。東京大学が開発した「ピコリング」は、指輪型の新しい操作デバイスです。VRやパソコンの操作を手元だけでできるようになるほか、Bluetoothよりも軽くて省エネな通信方式も注目されています。
ピコリングの技術や活用方法、そして他のスマートリングとの違いを見てみましょう。あなたなら、この小さなデバイスでどんな未来をつくりますか?
ピコリングとは?新しい指輪型コントローラー
ピコリングは、指にはめる「指輪型デバイス」と腕につける「腕輪型デバイス」の2つで構成されます。人差し指に装着したリングのスイッチを親指で操作すると、その信号が腕輪に伝わり、PCやVR機器などをコントロールできます。
この指輪型デバイスは非常に軽く、重さは約1.5〜5g。手に負担が少なく、長時間使いやすいのが特長です。VR空間で手を大きく動かす必要がないため、操作中の“没入感”も高まります。
電磁誘導で省エネ通信
ピコリングは「電磁誘導」による通信を採用しています。これはICカードでも使われる技術で、Bluetoothよりも電力消費が少なく、バッテリーの軽量化にもつながります。わずかな電力で最大1000時間も使える設計です。電磁波をやり取りするコイルの配置や設計に工夫があり、安定した通信を実現しています。
日常でも便利なスマートリングの可能性
指輪型デバイスは、狭い場所や移動中でも簡単に使えます。例えば、飛行機の中や車の中でも、手元の小さな操作で作業ができます。また、大きなジェスチャーが不要なので、プライバシーを守りながら操作できる点も魅力です。
スマートリングの活用例と最新モデル
- 健康管理:Oura RingやSOXAI RINGは、睡眠や心拍を測って健康をチェックできます。
- 決済:EVERINGやTwooCa Ringは、タッチ決済ができる指輪です。
- ビジネス連携:Monomam Ringでは名刺情報の送受信が可能。
- フィットネス特化:Ultrahuman Ring AIRは月額料金なしで利用できます。

関連ニュース:Galaxy Ringの登場
2025年にはSamsungが「Galaxy Ring」を発表。SOXAIやEVERINGなど、日本発のスマートリングも世界市場で注目を集めています。
まとめ
- ピコリングは指輪と腕輪の2デバイス構成の操作機器
- 電磁誘導通信で省エネ・長時間使用が可能
- 狭い空間でも操作しやすく、プライバシーにも配慮
- 健康・決済・ビジネスなど、多用途なスマートリングが登場中
- Galaxy Ringなど新製品が世界市場で増加
スマートリングやピコリングのような指輪型デバイスは、これからの暮らしや働き方を変える力を持っています。たとえば学校の授業や職場のプレゼンも、手元の小さな動きでスマートに操作できるようになるかもしれません。あなたがこの指輪型デバイスを使うなら、どんなシーンで活用したいですか?新しい技術を学ぶことで、未来のアイデアが広がります。
