More than 20% of NASA's workforce requests to leave agency - CBS News

About 3,870 employees have applied to depart NASA over two rounds through the Trump administration

2025年、アメリカ航空宇宙局(NASA)では約4000人の技術者が退職し、全職員の20%以上が職場を離れました。その背景には、予算の約25%削減という大きな問題があります。この変化は、月や火星への探査計画、地球観測、最先端のロボット開発まで、さまざまな分野に深刻な影響を与えています。
NASAの主な仕事や技術者の役割、予算削減による影響について考えてみましょう。

NASAの主な仕事と技術者の役割

月・火星探査の挑戦
NASAはアルテミス計画を通じて人類を月に送り、将来的には火星探査を目指しています。この計画では、SLSロケットやオリオン宇宙船などの最新技術が活用されています。退職した技術者たちは、エンジニアや科学者としてこうしたミッションを支えていました。

国際宇宙ステーション(ISS)の運用
NASAは各国と協力し、ISSの運用を行っています。宇宙飛行士が実験を行う環境を維持するために、ロボットや各種機器を管理する技術者の存在が不可欠です。人手不足により、運用の効率や安全性に影響が出るおそれがあります。

地球観測と気象衛星の活用
NASAは地球観測衛星を使って、気候変動や自然災害を監視しています。技術者たちは衛星の開発やデータ分析を行い、環境問題の理解と対策に貢献しています。しかし、予算削減により19件以上の観測プロジェクトが中止の危機にあります。

宇宙望遠鏡と科学観測
ハッブル宇宙望遠鏡やチャンドラX線望遠鏡などを用いた宇宙観測も、NASAの重要な仕事です。これらのプロジェクトでは、星や銀河の構造などを解明しようとしています。技術者の退職によって、研究の進行に遅れが出ています。

新技術・ロボット開発
NASAは宇宙用ロボットやAI、推進システムなどの開発にも力を入れています。探査車や再使用可能なロケットのテストは、その象徴的な例です。経験豊富な技術者の退職により、こうした技術革新にも影響が出ています。

予算削減の背景と具体的影響

歴史的な予算削減
2025年、NASAの年間予算は248億ドルから188億ドルへと約25%削減されました。これは過去最大級の削減規模であり、技術者たちの退職もこの削減への反発として起きたものです。多くは延期退職制度を利用したベテラン人材でした。

月探査計画の縮小
アルテミス計画の予算は一部確保されていますが、SLSロケットやオリオン宇宙船の追加ミッションは延期されました。月周回基地「Gateway」も予算が最大3分の2削減され、計画全体のスケジュールに遅れが出ています。

火星探査の停滞
火星からサンプルを持ち帰る「火星サンプルリターン計画」は予算が3分の1以下となり、一時停止されています。火星への有人探査を見据えた基礎研究も縮小され、雇用凍結による人員不足が深刻です。

科学部門の影響拡大
惑星探査などを含む科学ミッションの中止が相次いで検討されています。国際協力による観測計画も、資金難から凍結される可能性が高まっています。こうした状況が技術者の退職をさらに加速させています。

民間企業との連携が鍵に

一方で、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)は民間企業と連携し、小型人工衛星や月面探査車の開発に成功しています。NASAもSpaceXをはじめとする企業と協力し、官民連携による宇宙開発が注目されています。今後は、政府機関だけでなく民間の技術力が宇宙事業を支える時代になるかもしれません。

まとめ
  • NASAでは約4000人の技術者が退職し、大幅な予算削減が背景にある
  • 月や火星探査、ISS運用、地球観測、宇宙望遠鏡などの活動に影響が出ている
  • アルテミス計画や火星サンプルリターン計画は延期・停止の危機
  • 科学観測プロジェクトが中止や凍結される可能性が高い
  • 民間企業との連携が新たな宇宙開発のカギとなっている

NASAの予算削減と技術者の退職は、宇宙開発の未来に大きな影響を与えています。宇宙ミッションは単なる探検ではなく、地球環境の理解や新技術の進化にもつながっています。あなたは、宇宙に行くためにはどんな技術が必要だと思いますか?ロボットやAIはどのように役立つのでしょう?民間企業が進める宇宙ビジネスの現状も調べて、自分ならどんな役割で関わりたいかを考えてみましょう。未来の宇宙開発には、若い世代の発想力と好奇心が欠かせません。