見たことのない地球の姿を映し出す、グーグルの最新AIモデル「AlphaEarth Foundations」 - CNET Japan
グーグルはこのほど、新たな人工知能(AI)モデル「AlphaEarth Foundations」を発表した。このモデルは衛星などから得られる画像や計測データを取り込み、陸地と水域の最新かつ正確なデジタル表現を生成する。
地球の変化をリアルタイムで正確に知ることができたら、私たちの生活や未来はどう変わるでしょうか。
Google DeepMindが開発した最新AI「AlphaEarth Foundations」は、世界中の衛星画像や気候データをまとめ、精密なデジタル地図を自動作成します。森林の減少や洪水の危険、農作物の生育状況まで把握でき、環境保護や災害対策、経済活動にも活かされています。
この技術がどのように働き、どの分野で役立つのかを考えてみましょう。
AlphaEarth Foundationsとは?
AlphaEarth Foundationsは、Googleが開発したAI地球観測モデルです。衛星画像やレーダー、レーザー測量など多様なデータを集め、地球を10メートル四方で細かくデジタル地図化します。
地球の「デジタルツイン」と呼ばれるほど精密で、森林伐採や水不足、作物の状態をリアルタイムで確認できます。
技術の仕組み
データ統合と圧縮
形式の違うデータをAIがまとめて「埋め込み」という形に変換します。これにより、統一された地図情報が作られます。
自己教師あり学習
AIは大量のデータから自動でパターンを学び、人の手をあまり使わずに最新地図を生成します。
欠損部分の補完
雲や夜で見えない場所も、他のデータをもとにAIが補完し、常に全体像を更新します。
活用される分野
- 環境変化の監視:森林や水資源、農地の変化を把握できます。
- 気候変動対策:気温や降水、氷河の状態を観測し、研究や政策に活用されます。
- 自然災害の予防:洪水や山火事、土砂災害の早期検知に貢献します。
- 農業効率化:作物の健康や収穫時期の予測に役立ちます。
- 都市開発とインフラ管理:土地利用や建物状況を把握し、安全な都市づくりを支えます。
- 資源保護と生物多様性:水量や動植物の分布を見える化し、保護活動を支援します。
- 教育・研究:学生や研究者が地球規模データで学習や実験を行えます。
- 経済・金融:農作物や資源のデータが市場価格や企業判断に影響します。

関連ニュース
Googleは洪水や山火事をAIで早期検知する「Google Earth AI」も提供しています。自然災害に対して個人でも迅速な対応が可能な時代が来ています。
まとめ
- AlphaEarth FoundationsはAIで多様な地球観測データを統合し、精密地図を自動生成
- 自己学習やデータ圧縮により、世界中で使いやすい情報を提供
- 環境、災害対策、農業、都市計画、経済など幅広く活用可能
- 欠損データもAIが補い、より正確な地球の姿を表示
地球環境や気候変動は、食料の価格や企業活動、国際市場の動きに直結します。AlphaEarth FoundationsのようなAI地球観測技術を使えば、世界中の環境変化を根拠あるデータとして把握でき、将来のビジネスや政策判断に役立ちます。
みなさんも、AIが地球や経済の未来にどう貢献しているか調べ、自分の学びや将来の仕事にどう活かせるかを考えてみてください。
