米コカ・コーラが甘味料変更、トランプ氏は功績主張 「本物のサトウキビ糖を使用」 - CNN.co.jp
トランプ米大統領は16日、自身の働きかけにより、コカ・コーラが米国向け製品の甘味料を変更することになったと発表した。
コカ・コーラがアメリカ市場向けの炭酸飲料に使う甘味料を、「高果糖コーンシロップ」から「サトウキビ糖」へ変更する発表が注目されています。
この変更は本当に健康に良いのでしょうか?また、化学調味料とどう違うのでしょうか?
食品に使われる甘味料や調味料の安全性、そして食品業界の技術的な背景について見てみましょう。
コカ・コーラの甘味料変更とは?
2025年7月、アメリカのコカ・コーラ製品の甘味料が「高果糖コーンシロップ」から「サトウキビ糖」に変更されることが発表されました。従来、アメリカのコーラにはトウモロコシ由来の高果糖コーンシロップが使われていましたが、自然志向の高まりを背景に、サトウキビ糖への切り替えが決定されました。
メキシコ版ではすでに使われていましたが、アメリカ市場では初の大規模導入となります。
製造技術の違いと課題
高果糖コーンシロップは液体状であり、製造や保存が容易でコストも安価です。一方、サトウキビ糖は粒状であるため、工場では溶解や混合の工程が増えます。
これにより、製造設備の改良や新たな技術の導入が必要になります。さらに、輸送や保存方法にも見直しが求められるなど、全体として製造プロセスに大きな変化が生じます。
甘味料と健康への影響
サトウキビ糖(ショ糖)と高果糖コーンシロップ(主にグルコースやフルクトース)には成分構造の違いはありますが、いずれも体内で糖として分解され、摂りすぎると健康に悪影響を及ぼす点は共通しています。アメリカの保健当局や研究機関によると、「どちらが健康に良い」と断定できる証拠は今のところありません。
重要なのは、どちらの甘味料も適量を守ることです。

化学調味料は危険?それとも安全?
化学調味料の代表であるグルタミン酸ナトリウム(MSG)は、「化学」という言葉の印象から誤解されがちですが、日本の厚生労働省、WHO、FDAなどの公的機関はいずれも「通常の使用量では安全」と評価しています。
確かに過剰摂取すれば一部の人に一時的な不調が起こることもありますが、それは塩や砂糖と同じであり、量の問題です。イメージだけで判断せず、科学的な根拠にもとづく理解が必要です。
世界で広がる甘味料・調味料の見直し
コカ・コーラ以外にも、ペプシコ、ユニリーバなど世界の大手食品メーカーが、甘味料や調味料の見直しを進めています。健康志向や自然志向の消費者ニーズに対応し、原材料の変更や製造工程の改善が加速しています。これらの動きは、食品業界の技術革新に大きく影響しています。
まとめ
- コカ・コーラは米国向け甘味料を高果糖コーンシロップからサトウキビ糖に変更
- サトウキビ糖でも取りすぎは健康に悪影響がある
- 化学調味料(MSG)は通常使用であれば安全とされている
- 食品の安全性は「量」と「使い方」が大切
- 食品技術の進化には科学と消費者の理解が必要
食品に使われる原料の変更は、製造コスト、設備投資、物流体制、商品イメージ、広告戦略にまで影響を与えます。企業は、科学的な安全性と消費者の印象のバランスを取りながら、製品の価値を高めるための戦略を考えています。
今、私たちが飲んでいる飲料や食べている食品には、どのような背景があるのか。興味を持って調べてみることで、技術や経済のつながりが見えてきます。あなたもぜひ、食品の「中身」を科学とビジネスの両面から考えてみてください。
