元ファーウェイ「天才少年」の人型ロボット企業、テンセントも出資 25年は数千台出荷へ | 36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア
人型ロボットに代表されるエンボディドAI(身体性を持つ人工知能)を開発する「智元機器人(Agibot)」がこのほど、中国ネット…
映画の中だけの存在と思われていた人型ロボットが、いま現実の世界で急速に進化しています。中国のスタートアップ「智元機器人(Agibot)」が開発するロボット「遠征(Yuanzheng)」は、歩行・作業・会話という3つの要素を統合した次世代の人型ロボットです。
その技術や開発背景、そしてロボット技術の未来について紹介します。
智元機器人とは?AIとロボティクスの融合企業
智元機器人は2023年に中国で設立された、最先端のロボット開発企業です。創業者の彭志輝(ほう しき)氏は、かつてファーウェイでAIチップの開発に関わった経験を持ち、若手ながらも高い技術力で注目を集めています。
この企業は、「エンボディドAI(身体性を持つAI)」という技術に特化し、設立後すぐにテンセントやBYDなどの大手企業から資金提供を受けました。現在の企業評価額は約3200億円にのぼり、ロボット技術の成長性を強く印象づけています。
「遠征(Yuanzheng)」が搭載する注目技術
智元機器人の主力製品である「遠征」は、二足歩行型の人型ロボットです。以下のような高度な機能を備えています。
歩行と操作の精度
- 高性能モーターと関節モジュールにより、階段やでこぼこ道でもバランスよく歩行できます。
- 手には「SkillHand」という先端技術を搭載し、針に糸を通すなどの細かい作業も可能です。
AIによる判断と対話
- マルチモーダルAIの活用により、目で見て、耳で聞いて、手で感じて判断できます。
- 自然言語処理技術により、受付や案内といった会話ベースの業務にも対応可能です。
高速通信と制御
- 自社開発の通信技術「AimRT」によって、リアルタイムで正確な動作制御を実現しています。
技術開発の課題と成長戦略
一方で、人型ロボットの開発には多くの課題もあります。高精度なセンサーの調整や安全性の確保には、膨大な研究時間とコストがかかります。
しかし、中国政府や大企業からの支援により、智元機器人は世界市場でも成長を加速させています。同社は、テスラの「Optimus」に対抗する製品を目指しており、2025年には最大5,000台の量産計画を打ち出しています。
世界的ライバル:テスラの人型ロボット「Optimus」
アメリカのEV大手テスラも、人型ロボット「Optimus」の開発を進めています。このロボットは工場での作業補助や日常業務の効率化を目的としており、ロボット市場は世界的に競争が激化しています。
まとめ
- 智元機器人は中国の次世代ロボット企業として急成長中。
- 「遠征」は歩行・作業・会話の3要素を統合した人型ロボット。
- 独自の通信技術でリアルタイム制御が可能。
- 世界市場ではテスラなどとの競争が進行中。
人型ロボットと共に働く未来は、すでに始まりつつあります。あなたも次のような問いを考えてみてください。
- ロボットと人間はどのように仕事を分担していくのが理想でしょうか?
- 将来ロボットをつくりたいとしたら、どんな知識やスキルが必要でしょうか?
AI、プログラミング、ロボット工学といった分野に今から触れておくことで、未来の技術をリードする存在になれるかもしれません。興味を持ったら、ぜひ調べてみましょう。