ザハ・ハディド・アーキテクツが設計を手がけた 北京最大規模の展示・会議施設 | AXIS Web | デザインの視点で、人間の可能性や創造性を伝えるメディア
Photos by Virgile Simon Bertrand経済・文化・政治の中心地であり、デジタル・テクノロジーをはじめとする多様な産業が急成長する北京に、展示・会議施設「首都国際会展センター(CIECC)」がオープンした。北京で最大規模の展示会場として、中国全土や世界…
現代の建築は、デザインの美しさだけでなく、最先端のテクノロジーを駆使することで進化を遂げています。
その代表例が、世界的な建築家ザハ・ハディドが設計した首都国際会展センター(CIECC)です。この施設は、最新の建築技術と環境技術を融合させた未来型の展示センターとして注目されています。
CIECCがどのようにテクノロジーを活用し、建築の新たな可能性を示しているのかを紹介します。

コンピュテーショナルデザイン:建築の自由度を拡張
ザハ・ハディドの建築の特徴である流れるような曲線は、従来の建築技術では実現困難でした。しかし、コンピュテーショナルデザインの進化により、コンピューターによる緻密な計算と設計が可能となりました。
例えば、CIECCのプリーツ状のファサードは、3Dモデリング技術とパラメトリックデザインによって実現。美しさだけでなく、空気の流れを最適化し、エネルギー効率の向上にも貢献しています。
デジタルファブリケーション:建築の精度を向上
デジタルファブリケーションとは、コンピューター制御の機械を活用し、建築部材を精密に製造する技術です。CIECCでは、CNC加工機や3Dプリンターを駆使し、従来の手作業では困難だった複雑な部品を高精度で作成。これにより、デザインの自由度が向上するとともに、建築工程の効率化が可能となりました。
また、大スパン構造の屋根には、軽量で断熱性に優れた素材が採用され、支柱を設けることなく広大な空間を創出。これにより、さまざまな展示やイベントに柔軟に対応できる施設となっています。
スマートビル技術と環境配慮
CIECCは、持続可能な建築としても評価されています。特に以下の環境技術が導入されています。
- ハイブリッド換気システム:AI制御による最適な空調管理
- 雨水リサイクルシステム:水資源の有効活用
- 太陽光発電パネル:クリーンエネルギーの活用
これらの技術により、CIECCは中国のグリーンビルディング認証で最高評価を獲得。建築と環境配慮の両立が求められる現代において、重要なモデルケースとなっています。
3Dプリント技術が開く新たな可能性
ザハ・ハディド・アーキテクツは、3Dプリント技術を活用した次世代の建築方法を開発しています。例えば、3Dプリント・コンクリートを用いることで、建築材料の使用量を最大50%削減可能。さらに、分解・リサイクルが容易な構造を実現し、サステナブルな都市開発へとつながっています。
この技術が普及すれば、将来的に廃材の削減や建築コストの最適化が期待されます。
まとめ
- コンピュテーショナルデザインにより、自由で機能的な建築が可能に
- デジタルファブリケーションで、高精度な建築部材の製造が実現
- 環境技術とスマートビル管理により、持続可能な都市開発を推進
- 3Dプリント技術が建築の在り方を根本から変革

未来の建築は、どのように進化するのでしょうか?AIやロボティクスが加わることで、よりスマートな都市が誕生するかもしれません。
もしあなたが建築やエンジニアリングの道を志すなら、数学・物理・デザイン・プログラミングを学ぶことが重要です。また、環境問題と技術革新への関心を持ち続けることで、未来の都市設計に貢献できるでしょう。
あなたのアイデアが、未来の建築や都市をどのように変えていくのか、考えてみましょう。テクノロジーとクリエイティビティの力で、より美しく、便利で、持続可能な世界を築くことができるはずです。