宇宙ステーションの外でも生き延び続ける微生物のナゾ | ギズモード・ジャパン

生命は宇宙空間を生き延びて地球へたどりついた?基本的に生物は、地球を離れて生きることはできないはず。過酷な環境をサバイブしてしまうクマムシみたいな生物もいますけどね。しかしながら、国際宇宙ステーション(ISS)の船外でも生き続けている微生物の存在を調べれば、実は地球を飛び出しても生きられるカギが発見できるやもしれません。NASAの新プロジェクトへの期待このほどNASAは、ISSで進められている、

宇宙は極限環境です。強い放射線、無重力、極端な温度変化。このような過酷な環境の中で微生物が生存できるとしたら、生命の可能性はどこまで広がるのでしょうか?

実際に、国際宇宙ステーション(ISS)の外側で微生物が発見され、科学者たちはその生存能力に注目しています。この研究は、生命の起源や宇宙での生活の可能性を探る重要な手がかりになるかもしれません。

ISSの外側で発見された微生物

NASAが進める「ISS External Microorganisms」プロジェクトでは、ISSの外側に存在する微生物を調査しています。宇宙飛行士や宇宙船は打ち上げ前に徹底的に殺菌されますが、完全に無菌にはできません。そのため、一部の微生物が宇宙空間へと放出され、過酷な環境の中で生き延びていることが確認されました。

特に注目されているのは、「デイノコッカス・ラジオデュランス」という微生物です。この菌は極端に強い放射線に耐えることができ、実験では3年間にわたり宇宙にさらされた後も生存が確認されました。さらに、太陽光が当たらない場所では最大48年間も生存できると予測されています。

クマムシ:宇宙最強の生物?

宇宙生物学の研究では、「クマムシ」という極限環境に適応する生物も重要な研究対象となっています。クマムシは以下のような驚異的な能力を持っています。

  • -272℃から150℃までの温度変化に耐えられる
  • 強い放射線の影響を受けにくい
  • 水や食料がなくても数十年間生存可能
  • 深海の6倍の圧力にも耐えられる

2007年の宇宙実験では、クマムシを地球の周回軌道に送り、10日後に回収。生存が確認され、宇宙でも生命が維持できる可能性が示されました。

生命の起源とパンスペルミア説

宇宙微生物研究が示す最も興味深い仮説のひとつに「パンスペルミア説」があります。この説は、生命の種が宇宙を旅し、地球にたどり着いた可能性を示唆しています。もし微生物が宇宙空間で生存できるなら、地球の生命が宇宙からもたらされた可能性も考えられるのです。

また、最近の研究では、火星の地下に液体の水が存在する可能性が示唆されています。さらに、木星の衛星エウロパや土星の衛星エンケラドゥスにも生命が生存できる環境があると考えられています。今後の探査ミッションでは、こうした環境に生命が存在するかどうかを調査することが期待されています。

宇宙微生物研究の未来

宇宙で発見された微生物の研究は、さまざまな分野に応用できる可能性があります。

  • 宇宙空間でも機能する新素材の開発
  • 月や火星での居住技術の進化
  • 宇宙探査機の耐久性向上
  • 宇宙環境での医療技術の発展

これらの研究が進めば、人類が宇宙で生活する未来が現実味を帯びるかもしれません。

まとめ
  • ISSの外側で微生物が発見され、宇宙環境でも生命が生存できる可能性が示された
  • 「デイノコッカス・ラジオデュランス」は極端な放射線にも耐えられる微生物
  • クマムシは極限環境に適応する驚異的な生物
  • パンスペルミア説は、生命が宇宙を旅し地球にたどり着いた可能性を示唆
  • 宇宙微生物の研究は、未来の宇宙開発や医療技術の発展につながる可能性がある

もし宇宙に生命が存在するとしたら、それはどんな形をしているのでしょうか?また、微生物の宇宙適応能力を活用すれば、将来の宇宙探査や人類の宇宙進出にどのような影響を与えるでしょうか?

次世代の宇宙科学者として、宇宙生命の謎を解き明かしてみませんか?