新発見の小惑星、地球衝突の可能性が「2.2%」に上昇 欧州宇宙機関 - CNN.co.jp
最近発見され、天文界の注目を集めている小惑星「2024 YR4」が地球に影響を与える可能性がわずかに上昇したこと分かった。
2032年12月22日、小惑星「2024 YR4」が地球へ接近します。直径40~90メートルと推定され、衝突確率は2.2%です。欧州宇宙機関(ESA)の最新データでは、以前の1.2%から上昇しましたが、追加観測により低下する可能性があります。衝突すれば甚大な被害が予想されます。
「2024 YR4」が地球に衝突すると、どのような影響があるのでしょうか?また、過去の事例と比べてどれほど危険なのでしょうか?
本記事では、小惑星衝突のリスクや防衛策について見てみましょう。
小惑星「2024 YR4」の危険性とは?
「2024 YR4」は現在、トリノスケールで「3」に分類されています。このスケールは0から10まであり、「3」は衝突リスクが1%以上で、局地的な被害を引き起こす可能性を示します。
過去20年間でトリノスケール3以上に分類された小惑星は非常に少なく、2004年に注目された「アポフィス」以来の高いリスクとされています。
また、この小惑星の速度は秒速17キロ(時速約6万1200キロ)にも達し、新幹線の約15倍、旅客機の約5倍の速さです。
衝突すれば甚大な被害をもたらす可能性があり、例えば、50キロメートル離れた地点でも衝撃波による影響が及ぶことが考えられます。
小惑星衝突の過去事例
ツングースカ大爆発(1908年)
- 場所: ロシア・シベリア
- サイズ: 約60メートル
- 被害: 2150平方キロメートルの森林を破壊(東京23区ほどの範囲)
- 人的被害: 人口密集地ではなかったため、大きな人的被害は報告されていません。
チェリャビンスク隕石(2013年)
- 場所: ロシア・チェリャビンスク州
- サイズ: 約17メートル
- 被害: 空中爆発による衝撃波で7000棟以上の建物が損傷、1500人以上が負傷。
- 特徴: 太陽よりも明るい光を放ち、多くの人々を驚かせました。
2008 TC3(2008年)
- 場所: スーダン上空
- サイズ: 約4メートル
- 特徴: 地球衝突前に発見された初の小惑星。被害はありませんでしたが、観測技術の進歩を象徴する出来事です。
これらの事例から、小惑星のサイズや衝突地点によって被害規模が大きく異なることがわかります。「2024 YR4」のような中型小惑星でも、大都市に衝突すれば甚大な被害をもたらす可能性があります。
科学技術で地球を守る
軌道解析と観測技術
現在、NASAやESAなど多くの宇宙機関が、小惑星の軌道を正確に予測するために観測技術を駆使しています。
例えば、NASAの「パンスターズ(Pan-STARRS)」や「ATLAS」などの望遠鏡が小惑星の検出に活用されています。望遠鏡や人工衛星に加え、AI技術を活用し、大量のデータ解析を行うことで軌道変化を迅速に把握できるようになっています。
DARTミッション:軌道変更実験
NASAは2022年、「DARTミッション」で小型探査機を小惑星に衝突させ、その軌道を変更する実験に成功しました。この技術は将来的に地球防衛システムとして活用される可能性があります。

小惑星衝突がもたらす影響
物理的破壊
衝突地点周辺で建物やインフラが崩壊し、数十キロメートル範囲で甚大な被害が発生する恐れがあります。
津波の発生(海洋衝突の場合)
巨大津波が沿岸部を襲い、大規模な浸水被害や経済的損失を引き起こす可能性があります。
例えば、2011年の東日本大震災では巨大津波により甚大な被害が発生しました。同様の規模の津波が発生すれば、沿岸地域の都市やインフラに壊滅的な影響を与える恐れがあります。
気候変動への影響
衝突時に放出されるエアロゾルやガスが大気中に拡散し、「衝突の冬」と呼ばれる寒冷化現象を引き起こす恐れがあります。
まとめ
- 小惑星「2024 YR4」は2032年12月22日に地球へ接近し、現時点で2.2%の衝突リスク
- 過去にはツングースカ大爆発やチェリャビンスク隕石事件など、小規模ながらも甚大な影響を与えた事例がある
- 科学技術の進歩により、小惑星観測や軌道変更技術が開発されつつある
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