エヌビディアCEO、量子コンピューター実用化は「20年先」…NY市場で関連株急落 : 読売新聞
【読売新聞】 【ラスベガス=小林泰裕】ブルームバーグ通信など米主要メディアは8日、米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が、非常に有用な量子コンピューターの実用化には20年程度かかるとの見通しを示したと
量子コンピューターという言葉を聞いたことがありますか?この新しい技術は、未来の社会や私たちの生活を大きく変える可能性があります。しかし、その実用化にはまだ時間がかかりそうです。エヌビディアのCEOであるジェンスン・フアン氏は、量子コンピューターが本格的に使われるようになるのは約20年後だと話しています。
なぜこれほど時間がかかるのでしょうか?そして、量子コンピューターが私たちにどんな影響を与えるのか、一緒に見てみましょう。
量子コンピューターとは?
量子コンピューターは、普通のコンピューターよりもずっと高性能な計算機です。普通のコンピューターは「0」と「1」という数字を使って計算を行いますが、量子コンピューターは「量子ビット(キュービット)」と呼ばれる仕組みを使います。この仕組みによって、たくさんのデータを同時に計算することができるのです。
例えば、化学反応をシミュレーションしたり、難しい数学の問題を解くときに、今までは何年もかかっていた計算が、量子コンピューターなら数秒で終わるかもしれません。このため、世界中の研究者がこの技術を開発しようと頑張っています。
スーパーコンピューターとの違い
スーパーコンピューターもとても高性能ですが、量子コンピューターとは仕組みが違います。スーパーコンピューターは、大量のプロセッサを使ってたくさんの計算を一度に行います。一方で、量子コンピューターは「量子ビット」の特性を使って、一部の計算ではスーパーコンピューターよりも速く結果を出すことができます。
ただし、今の量子コンピューターはまだ研究の途中です。すべての問題を解決できるわけではなく、スーパーコンピューターも引き続き重要な役割を果たしています。
日本のスーパーコンピューター「富岳」
日本には「富岳(ふがく)」というスーパーコンピューターがあります。富岳は世界でトップクラスの性能を持っており、次のようなことに使われています。
- 新薬の開発:病気を治す薬の研究
- 天気予報や災害予測:台風や地震の影響を予測
- 環境問題の研究:二酸化炭素を減らす方法のシミュレーション
富岳のようなスーパーコンピューターは、量子コンピューターが実用化されるまでの間、私たちの生活を支える重要な技術です。
エヌビディアと量子コンピューター
エヌビディアは「GPU」という特殊なコンピューターチップを作っている会社です。このGPUは、量子コンピューターのシミュレーションにも使われています。量子コンピューターの開発にはまだ時間がかかるため、シミュレーションを通じて技術を試すことが大事です。
また、エヌビディアは量子コンピューター向けの開発ツールやソフトウェアも提供しており、量子コンピューターの研究を支える重要な役割を果たしています。
エヌビディアCEOの見解
ジェンスン・フアン氏によると、量子コンピューターが本当に役立つようになるまでには約20年かかるとのことです。一部の企業は2030年までの実現を目指していますが、それはかなり楽観的だと言われています。この発言の影響で、量子コンピューター関連の株価が大きく下がりました。特に新興企業の中には、一日で株価が43%も下がった会社もあります。
量子コンピューターがもたらす未来
量子コンピューターが実用化されれば、次のようなことが期待されています。
- 新しい素材の開発:より強くて軽い材料が作れる
- 金融のシミュレーション:お金の流れをより正確に予測
- AIの進化:人工知能の能力がさらに向上
一方で、懸念される問題もあります。
- 兵器開発に利用されるリスク
- 現在のセキュリティシステムが無力化される可能性
まとめ
- 量子コンピューターは、普通のコンピューターやスーパーコンピューターを超える可能性があります。
- 実用化にはまだ20年ほどかかると予測されています。
- エヌビディアは量子コンピューター研究の重要な技術を提供しています。
- スーパーコンピューターも引き続き私たちの生活を支えています。
量子コンピューターは未来を変える可能性を秘めた技術ですが、実用化にはまだ時間が必要です。中学生や高校生の皆さんも、このニュースをきっかけに技術や経済について興味を持ち、将来の選択肢を広げてみてください。たとえば、プログラミングや科学の授業で基礎を学ぶことが、未来の可能性につながるかもしれません。
親子で、「量子コンピューターが実用化されたらどんな未来になるだろう?」と一緒に考えてみてください。