磁石の常識を変える！光を当てるだけで磁石に？

光を当てるだけで、普通は磁石にならない物質が磁石になると聞くと驚きますよね。
普段使う磁石といえば、冷蔵庫にくっつくものや方位磁針が思い浮かびます。でも、アメリカのマサチューセッツ工科大学（MIT）の研究チームが、光を使って新しい方法で磁石を作ることに成功しました。このすごい発見について、見てみましょう。

磁石ってどうしてくっつくの？

磁石が物にくっつく力、つまり磁力は、物質の中で電子が並んで動くことで生まれます。普通は強い磁場を当てて、この電子の動きを整えることで磁石を作ります。

でも今回の研究では、光を当てるだけで磁石の性質を持たせることができたんです。これにより、今までの磁石作りの方法が大きく変わる可能性があります。

どんな物質が磁石になったの？

研究で使われたのは、FePS3（鉄・リン・硫黄の化合物）という物質です。この物質は特別な構造を持っていて、電子の動きが光に反応しやすい性質があります。
通常は磁石にならないこの物質に、特定のテラヘルツ帯の光を当てると、約2.5ミリ秒間だけ磁石の性質を持つようになりました。
この時間は一見短いように思えますが、これまでのピコ秒（1兆分の1秒）に比べると、1兆倍も長いのです。

なぜこの研究がすごいの？

• 長い時間磁石になる:
  光で作られる現象は普通、一瞬で終わってしまいます。でもこの研究では、2.5ミリ秒も磁石の性質が続きました。これだけ時間があれば、実際に役立つ技術として使える可能性があります。
• 優しい光を使う:
  この研究では、テラヘルツ帯という特別な光を使っています。この光は物質を壊さずに、電子スピンという性質をピンポイントで制御することができます。

どんなことに使えるの？

光を使って磁石を作る技術は、いろんな分野で役立ちそうです。

• 新しいデータ保存技術:
  今よりもっと速くてたくさんのデータを保存できる装置が作れるかもしれません。
• 環境に優しい技術:
  この方法はエネルギー消費が少ないので、地球に優しい技術として期待されています。
• 医療や通信:
  特定の物質の性質をコントロールする技術は、医療や通信にも役立つ可能性があります。

他にもある光技術

光を使った技術は、この研究以外にもたくさんあります。
たとえば、光で超伝導という特別な現象を引き起こしたり、物質の特性を高めたりする研究が進んでいます。これらはすべて、レーザー技術の進化によって可能になったことです。

まとめ

• 光を使ってFePS3という物質を磁石に変えることに成功。
• 磁石の性質が1兆倍長く続くように。
• データ保存、環境保護、医療など、多くの分野での応用が期待される。

もし、光を使った技術でパソコンやスマホがもっと便利になったらどう思いますか？さらに、その技術が地球を守ったり、医療を進化させたりするなら、どんな未来が待っていると思いますか？ぜひ周りの人と話し合ってみましょう！