いつの間にか「フードテック」が凄いことに--イネから本物の牛乳タンパク質を生成、食用納豆菌も登場 - CNET Japan
2024年12月19日に、食の新産業創出とフードテックの未来をテーマにしたイベント「Foodtech Venture Day Neo」(主催・UnlocX 、リバネス)が開催された。いくつかのセッションの中から、注目のフードテックスタートアップの取り組みについて紹介しよう。
フードテック(Foodtech)は、食べ物とテクノロジーが融合した新しい分野です。例えば、イネから牛乳のタンパク質を作る技術や、食品ロスを減らす画期的な方法など、未来を変える技術が次々と登場しています。この記事では、特に注目すべきフードテックの例を分かりやすく紹介します。
イネから牛乳のタンパク質を作る技術
Kinish社が開発した技術では、イネから牛乳と同じタンパク質を作ることができます。この技術で、動物性ではないミルクの大量生産が可能になります。
- 小型のイネを工場で育て、効率よくタンパク質を生産
- 「ライスクリーム」という新しいアイスクリームを、日本とアメリカで販売予定
- 日本では慎重な消費者が多いため、まずアメリカで販売開始
この技術は、環境に配慮した新しい食品の形として注目されています。
食品ロスを減らす過熱蒸煎技術
ASTRA FOOD PLAN社は、食品工場で捨てられる端材を再利用する技術「過熱蒸煎機」を開発しました。
- 食品端材を乾燥させ、栄養価を保ったままパウダー化
- CO2の排出を抑えながら食品ロスを削減
- 吉野家での利用例:タマネギの端材を「ぐるりこ」として再利用
この技術は、捨てられるはずの食品を新たな商品に変える可能性を秘めています。
納豆菌を活用した新しいタンパク質源
フェルメクテス社は、納豆菌を粉末化した「Kin-pun」という食品を開発しました。
- 環境に優しい方法で効率的にタンパク質を生産
- パンや麺に混ぜて新しい食品を開発
- 将来的には動物のエサとしての利用も計画
納豆菌を活用した技術は、次世代のタンパク質供給源として注目されています。
味をデータ化する味覚センサー
「DigiTaste」というセンサーは、食べ物の味を数値化できる技術です。
- 塩味や酸味などをデータ化し、好みに合わせた食事を提案
- レシピの改善や健康管理に役立つ
- 個人やお店でも手軽に使える低コスト設計
この技術は、味覚の新しい楽しみ方を提供します。
他のテクノロジーとの融合が生む可能性
フードテックは、他の技術と組み合わせることでさらに進化しています。
AI(人工知能)との連携
- 農業の効率化:AIが天候や土壌データを分析し、作物の最適な育て方を提案
- フードデリバリー:AIが顧客の嗜好を予測し、パーソナライズされたメニューを提供
IoT(モノのインターネット)との連携
- スマート冷蔵庫:食品の消費期限を通知し、レシピを提案
- スマート農業:センサーで作物の状態を監視し、自動で水やりや温度管理を実施
バイオテクノロジーとの連携
- 培養肉の生産:動物の細胞を育てて肉を作る技術
- 発酵技術の進化:納豆菌や酵母を利用した新しい食品開発
AR/VR(拡張現実/仮想現実)との連携
- バーチャル試食:VRで料理の完成イメージや味をシミュレーション
- フードツーリズム:仮想空間で世界中の料理を体験
サステナブルテクノロジーとの連携
- 再生可能エネルギーでの生産:植物工場の電力を再生可能エネルギーでまかなう
- 食品ロス削減アプリ:余った食品を必要な人に届ける仕組み
まとめ
- フードテックは環境問題や食料不足の解決に貢献する技術です。
- 植物や菌を活用した新しい食品が登場し、多様な可能性を広げています。
- AIやIoTなどの他の技術と組み合わせることで、さらに便利で持続可能な食生活が実現します。
フードテックが未来の食事をどのように変えるか考えてみませんか?
例えば、イネから作る牛乳や納豆菌を使った食品にはどんな可能性があるでしょう?また、食品ロスを減らす方法や環境に優しい選択について話し合い、私たちがどのように協力できるか考えてみましょう。